BOX ON! 海外ニュース(12月26日)

モズリー−ライトで3冠統一戦
 コーリー・スピンクス戦の敗北で、前WBA&WBC世界MOSLEY FACE.JPG - 6,976BYTESウェルター級王者リカルド・マヨルガがシェーン・モズリーに挑戦する試合は消滅したが、モズリー

 

対ウィンキー・ライト戦が実現することなった。試合はモズリー−マヨルガ戦が予定されていた日と同じ3月13日、ラスベガスのマンダレイベイ・リゾート&カジノで行われる。

 今年9月、デラホーヤを下して3階級制覇を達成するとともにWBA&WBC統一S・ウェルター級王者に君臨するモズリーに対して、テクニシャンのライトは同級IBF王者。実力に比べ地味なキャリアを送ってきたライトは初のビッグファイト登場となる。プロモーターはメインエベンツ社から独立したゲリー・ショウ氏。なお、このクラスではテリー・ノリス、トリニダード、デラホーヤ、モズリーが2本のベルトを統一したが、今回3本のベルトが統一されれば、1975年の輪島功一氏以来の真のチャンピオンが誕生する。試合はHBOによって全米に放映される。(三浦 勝夫)

 BOX ON! 海外ニュース(12月21日)

ロスのベネズエラ旋風
バレロ12連続1ラウンドKO
 ホルヘ・リナレスと並ぶベネズエラの次期世界王者候補、エドウィン・バレロは12月18日(現地時間)ロサンゼルス近郊のアーバンでトマス・サンブラノ(メキシコ)と10回戦を行い、初回1分45秒KO勝ちを収めた。デビュー以来11連続KO、しかもすべてワンラウンドKOというバレロはサウスポースタイルからグイグイ前進。ワンツーであっさりダウンを奪い、連打で攻め立てるとサンブラノはコーナー近くに2度目のダウン。主審はそのままストップをコールした。
 「相手が強くても弱くても同じ。自分のボクシングをすれば問題ない」と語るバレロは1月24日、リナレスと同じベネズエラのリングに立つ予定。相手は前WBO王者ハブロ・チャコン(亜)で、WBA・S・フェザー級エリミネーションバウトになるという。


ハリス、ウルカル戦をキャンセル
 佐竹政一(明石)の標的、WBA世界S・ライト級王者ビビアン・ハリス(米)は1月10日、ドイツでオクタイ・ウルカル(トルコ)との防衛戦を予定していたが、キャンセルを申し出た(延期の可能性もあり)。理由はハリスの右手にできた腫瘍だと報じられている。ヅーに善戦したウルカルは強豪だけに佐竹には朗報か? 佐竹陣営とハリス側の交渉の進展具合も気になるところだが、王者の回復が早ければ、意外に早く挑戦のチャンスが訪れるかもしれない。

 BOX ON! 国内ニュース(12月20日)

ラテン・リング・ニュース
無冠のマヨルガ、帰国で吠える
カリスト−シンで決定戦 WBAライト級
 アメリカの統一世界ウェルター級タイトル戦でコーリMAYORGA RETURNS TO NICARAGUA.0312.JPG - 18,337BYTESー・スピンクスに判定負けを喫したリカルド・マヨルガが15日ニカラグアに帰国し(写真)、大勢のフアンが不運のヒーローを出迎えた。「みんなは私が勝っていたことを知っている。スピンクスに120日以内のリターンマッチを要求する。ドン・キングは必ずチャンスをくれるだろう。再戦すればKOで雪辱してみせる」とマヨルガは早くもリベンジ宣言。スピンクス戦は「マスコミが書いたように私は5人の敵と戦って判定を盗まれた。5人とはスピンクスとレフェリー、そして3人のジャッジだ」と相変わらずの言いたい放題。スピンクスと再戦後はS・ウェルター級に上げてモズリーと対戦し、さらにミドル級でホプキンスと戦って引退する−−との今後の計画まで明らかにしている・・・・・オスカー・デラホーヤが13日初めてパナマ入り。妻の歌手ミリーさんが行う慈善事業に同伴で参加するため。地元紙のインタビューを受け、パナマにゴールデンボーイ・プロモーションの支部を置く可能性を検討していると語った・・・・・13日メキシコ市で今年最後の興行があり、元メキシコ・フライ&S・フライ級王者のラウル・フアレス(96年大阪で勇利アルバチャコフに判定負け)が元米大陸王者ホセ・サラビアとの10回戦に3−0の判定勝ちで2年ぶりのカムバック戦を飾った。2回に右でダウンさせるなど大差の勝利。フアレス(29歳)は勇利戦を含め3度世界に挑んでいずれも勝てなかった・・・・・13日ブエノスアイレスで行われたミドル級ノンタイトル戦は、フェデラテン王者で世界10位のマルコス・シルバノ・ディアスがラモン・アルトゥロ・ブリテス(いずれもアルゼンチン)に3−0判定勝ち。2回にダウンを奪ったがとどめは刺せず・・・・・レナード・ドーリンの計量失格で空位となっているWBA世界ライト級王座の決定戦は、1位ミゲル・カリスト(パナマ)対5位ラクバ・シン(モンゴル)との間で行われることに決まった。対戦が予定されていた2位ジュリアン・ロルシ(フランス)が練習しておらず出場を辞退、代わってシン(昨年タイでS・フェザー級王者ヨーサナンに判定負け)にまたしても世界のチャンスが回ってきたもの。バグナリオWBAランキング委員長によると1月に入札が行われ、2月に決定戦というスケジュールだ・・・・・ホルへ・カストロは95年に東京で竹原慎二に負け世界ミドル級王座を追われて8年たった今も現役。20日にはブエノスアイレスで同じアルゼンチンのミゲル・アンヘル・アントニオ・アギーレとの南米クルーザー級タイトルマッチに出場する。36歳のカストロはこれが138戦目となり、これまでのレコードは124勝86KO10敗3分と怪物的だ。

 BOX ON! 海外ニュース(12月17日)

モンシプール初防衛
 WBA世界S・バンタム級王者マヤール・モンシプール(フランス)は12月16日(現地時間)自国のレバルーイで挑戦者ハイロ・タグリアフェルロ(ベネズエラ=15位)を7回終了TKOで退け、サリム・メジクンヌ(フランス)から奪った王座の初防衛に成功した。
 スタートから多彩なパンチをヒットしてペースを握ったモンシプールに対し、強打の南米人も4回、右をコネクトして盛り返し、王者をぐらつかせる。しかし再び主導権を取り返したモンシプールのアタックの前に7回終了後、タグリアフェルロ陣営がギブアップを申し入れた。王者は24勝15KO2敗2分。挑戦者は初黒星(10勝8KO)。


バルガス−カスティジェホ戦決定
 来年のラスベガス・ビッグマッチ第1弾は2月21日、マンダレイ・ベイ・ホテルで行われる前WBA・IBF世界S・ウェルター級王者フェルナンド・バルガス(米)がWBC同級暫定王者ハビエル・カスティジェホ(スペイン)に挑戦する一戦となった。バルガスは先週12日、ツーソンで元ランカー、トニー・マーシャルを7回TKOで破り、再起後2連勝を飾っている。2月の試合ではロッキー・フアレス(フェザー級)、カーミット・シントロン(ウェルター級)といった売り出し中のホープも登場する予定。(三浦 勝夫)

 BOX ON! 海外ニュース(12月15日)

8大世界タイトルマッチ特報
スピンクス、マヨルガに幸運の判定で勝つ番狂わせ
ジョッピーもホプキンスには歯が立たず ミドル級戦
 ボクシング興行史に残る「8大世界タイトル戦」が13日(日本時間14日)米アトランティックシティのボードウォーク・ホールで行われた。チャンピオン同士が対決した3試合を含む8試合に計10人のチャンピオンが出場し、3人のチャンピオンが無冠に追われる一方で2人の新チャンピオンが誕生している。
  メインのミドル級はホプキンスが格の違いを見せつけ、WBAのレギュラー王者ウイリアム・ジョッピーに大差の判定勝ちを飾り統一王座を守るとともに、通算17度防衛で自己のもつミドル級最多防衛記録を更新した。ウェルター級王座統一戦で怪物リカルド・マヨルガがIBF王者コーリー・スピンクスに意外な2−0判定負けを喫してWBA・WBCの2タイトルを失う番狂わせがあった。しかし2度の反則減点も響いたとはいえ終始攻勢をとったマヨルガの勝利を支持する声が多く、敗者も「勝ったのは俺、再戦したい」と不服をとなえている。
 他にも、22勝21KO(全KO説もある)不敗のWBA・S・ウェルター級レギュラー王者アレハンドロ・ガルシアが伏兵トラビス・シムスの左フック一発で王座から転落する衝撃のKO劇も。元王者同士が対戦したWBAヘビー級暫定王座決定戦でジョン・ルイスがハシム・ラクマンに判定勝ちし3度目の王者となったのも意外だった。
 ザブ・ジュダー、プライスウェイトはともに初回で強烈なKO(TKO)勝利で実力を見せつけた。軽量級の統一戦で、日本のリングに2度上がったこともあるベテラン、アルバレスがIBF王者ブルゴスと引き分けてタイトル移動はなし。軽快な動きのブルゴスのヒット&ラン戦法にしてやられたかという内容だっただけに、アルバレスにはラッキーともとれる判定だった。同じニカラグアでもIBF・J・バンタム級の新王者ペレスは、前王者マチャードとの再戦で試合巧者の相手を力ずくで抑えて堂々の判定勝ち。日本非加盟団体のIBFの王者でなければ、WBC王者徳山との対戦を楽しみにしたくなるほどの好選手だ。

●試合結果(頭の数字は試合順)
 @世界L・フライ級チャンピオン統一戦
  ビクトル・ブルゴス(メキシコ)IBFc
  ロセンド・アルバレス(ニカラグア)WBAc
    *引き分けでタイトル移動はなし
 AWBC世界クルーザー級タイトルマッチ
  ウェイン・プライスウェイト(ガイアナ)c
  ルイス・ピネダ(パナマ)
    *プライスウェイトの初回1分27秒TKO勝ちで2度目の防衛
  BIBF世界J・バンタム級タイトルマッチ
  ルイス・ペレス(ニカラグア)c
  フェリックス・マチャード(ベネズエラ)
    *王者ペレスが3−0判定勝ちで初防衛
CWBO世界J・ウェルター級タイトルマッチ
  ザブ・ジュダー(アメリカ)c
  ハイメ・ランヘル(コロンビア)
     *王者ジュダーが1回1分12秒KO勝ちで初防衛
  DWBA世界S・ウェルター級タイトルマッチ
  トラビス・シムス(アメリカ)
  アレハンドロ・ガルシア(メキシコ)c
    *挑戦者シムスが5回1分41秒KO勝ちで王座獲得
  EWBA世界ヘビー級暫定王座決定戦
  ジョン・ルイス(アメリカ)
  ハシム・ラクマン(アメリカ)
    *ルイスが3−0判定勝ちで暫定王座獲得
 F世界ウェルター級チャンピオン統一戦
  コーリー・スピンクス(アメリカ)IBFc
  リカルド・マヨルガ(ニカラグア)WBA&WBCc
    *スピンクスが2−1判定勝ちで3王座統一
  G世界ミドル級チャンピオン統一戦
   バーナード・ホプキンス(アメリカ)統一c
   ウイリアム・ジョッピー(アメリカ)WBAc
    *ボプキンスが大差3−0判定勝ちで通算17度目の防衛

 

 BOX ON! 海外ニュース(12月13日)

アンチョンド、23連勝。古豪バルガスを下す
 アメリカ西海岸の元気印WBC・S・フェザー級7位マイク“マイティー”アンACHONDO VARGAS.JPG - 15,727BYTESチョンド(米=WBO4位)と元WBC世界フェザー級王者グレゴリオ“ゴーヨ”バルガス(メキシコ)のライト級10回戦が12月11日、ロサンゼルスのオリンピック・オーディトリアムで行われた。
 試合はスピードをベースにアウトボクシングを心がけるアンチョンドがポイントをリードして進行。1ヵ月あまり前にホープの一人ゲリー・バレト(米)を下して底力を見せつけたバルガスだが、4回には右を食らってロープへ後退する。右目尻をカットしたバルガスは6回、右を側頭部に受けてダウン。その後も波状攻撃を仕掛けるアンチョンドにバルガスは懸命に前進したが、フットワークにかわされた。スコアは100-89、99-97、97-92でアンチョンドを支持。戦績を23勝18KO無敗と伸ばしたアンチョンドに、この日のプロモーター、ゴールデンボーイ・プロモーションズは新IBFライト級王者ハビエル・ハウレギ挑戦のチャンスを約束している。

 セミでは以前日本のリングに上がったこともあるウルバノ・アンチロン(米)がライト級10回戦でアダン・エルナンデス(米)を大差の判定で下した。冷静な戦いぶりが目立ったアンチロンだが、同時にエルナンデスの左をもらって何度か脚が震えるなど、不安定さも隠せなかった。(三浦勝夫)


キング敗訴 ノリスへ750万ドル支払い命令
 これまで法廷闘争で抜群の勝率を誇っていた?ドン・キング・プロモーターだが、ニューヨークの裁判所は11日、現役時代に金を巻き上げられた――と訴えを起こしていた元世界王者テリー・ノリスを支持。キング氏に対し750万ドル(約8億2,500万円)の支払いを命じる判決を言い渡した。7年間に及ぶ長期裁判、キング氏はこれ以上、上訴はしないもようだ。ちなみに90年代に一世を風靡したノリスは試合のダメージが残り、経済的にも不幸な生活を送っているという。
 キング氏にとって8大世界戦開催前の凶報だが、今後タイソンとの1億ドル闘争も控えている。一方で以前約束したように、戦火が続くイラクへボクシング・グローブを含めた物資を寄付したり、米軍兵士向けにボクサーを慰問団として送り込む計画が進行中である。

 BOX ON! 海外ニュース(12月7日)

WBA世界フライ級タイトル戦
不敗王者モレル地元で敗れる
  
 坂田の標的はベネズエラのパーラに変更
 安定王者の一人と思われていたWBA世界フライ級王者エリック・モレル(米)が同級1位ロレンソ・パーラ(ベネズエラ)に3−0の判定負けを喫し6度目の防衛に失敗した。12月6日(現地時間)プエルトリコ・バヤモンのリング、好スタートを切ったパーラは3回に右を決めて軽いダウンを奪うなど攻勢。その後試合は拮抗した展開となったが、若いパーラがそのまま押し切った。スコアは116-111 が2者に115-112 。パーラは20勝15KO無敗。モレルは34戦目で初黒星(33勝18KO)を喫した。
 日本王者で世界同級2位にランクされる坂田健史(協栄)はこの試合の勝者に来年春にも日本で挑戦を計画している。


WBOミニマム級戦
カルデロンは同胞対決制す 
 コットは不敗の18連勝
 同じリングで行われたWBO世界ミニフライ級戦は、王者イバン・カルデロンがアレックス“ネネ”サンチェスとのプエルトリカン対決をを3−0の判定で制して2度目の防衛。カルデロンのアウドクシングにサンチェスの突進は通じなかった。スコアは118-110、117-111、116-112 。またメインに登場した大型ホープ、WBC・S・ライト級6位ミゲール・コット(プエルトリコ)は3回に一度倒した後、カルロス・マウッサ(コロンビア)にダメージを負わせ、8回2分8秒TKO勝ち。不敗対決を制したコットは18勝15KO。マウッサは16勝15KO1敗。

 BOX ON! 海外ニュース(12月7日)

クリチコ、強烈KO勝ち
  ジョンソンをパワーで圧倒、ルイス再挑戦に意欲
 ウクライナの2メートル超の巨人、クリチコがニューヨークっ子にKLITITSCHKO,VITALI-MIURA.JPG - 13,318BYTES評判の強打を披露−−6日ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンで行われたWBC世界ヘビー級挑戦者決定戦は、予想通り1位ビタリ・クリチコ(ウクライナ)が同8位カーク・ジョンソン(カナダ)をスタートからサイズとパワーで圧倒し、2回に右ストレートの強打で2度のダウンを奪って2分54秒ストップ勝ちを飾った。
 6月に負傷のジョンソンの代役として王者レノックス・ルイスに挑戦し、負傷TKO負けしたものの善戦が光ったビタリ。この日の再起戦で破壊的強打で難敵をつぶす印象的な勝利で再び「世界」の切符を手にした。そして試合後さっそくテレビを通じて「ルイス、見たろう、次はあんたに勝つぞ」と挑発した。しかしルイスはマイク・タイソンとの試合が実現しなければこのまま引退するとの説が濃厚で、その場合はビタリとWBO王座を返上してWBC2位に抜擢されたコリー・サンダースとの決定戦になるという。サンダースはビタリの弟ウラジミールをKOして一度はWBO王座を手にしており、この試合が実現すればビタリにとって弟のリベンジ戦ともなろう。
 なおこのクリチコ−ジョンソン戦の模様は、セミのジョー・メシー−モンテ・パレット戦とともに8日夜8時からのWOWOWエキサイトマッチで放映される。


メシー、苦戦の判定勝ち
 試合巧者パレットとダウン応酬、不敗の28連勝飾る
 ヘビー級最新のホワイト・ホープとしてセンセーションを巻き起こしているジョー・メシー(WBC4位)がMSGのクリチコ−ジョンソン戦のセミの10回戦に登場し、元世界ランカーのモンテ・パレット(いずれも米国)に2−0の判定勝ち。デビュー以来の連勝記録を「28」に伸ばしたが、26度目のKO勝ちはならず。
 5回、メシーの右ストレートが顔面をとらえると、パレットはたまらずロープに倒れ込み8カウントをとられた。しかしパレットも7回には逆にメシーの飛び込みざまに左フックをカウンターしてお返しのダウンを奪った。その後も接戦となり、ホワイト・ホープはこれまでにない大苦戦。試合は10回終了まで持ち込まれ、スコアは1人が94−94のドローとしたものの、残る2ジャッジが94−93、95−93と僅差ながらメシーの勝利を支持し、ホープは辛うじてデビュー以来の不敗記録を維持した。メシーが10回をフルに戦ったのは初めて。ダウンを喫したのも初めてということだ。

 BOX ON! 海外ニュース(12月6日)

ボリージョ、新鋭に痛烈KO負け
 12月5日(現地時間)米国ロサンゼルスに隣接するコマース市のコマース・カジノに元WBO世界J・ウェルター級王者カルロス“ボリージョ”ゴンサレス(メキシコ)が登場。同国のネルソン・エストゥピニャンとウェルター級10回戦を行った。今年に入り再起後2連勝のゴンサレスに対し、エストゥピニャンは12勝10KO無敗の新鋭。初回、飛び込んで左フックを決めるエストゥピニャンだが、打ち合いでゴンサレスのパンチが決まり、スリップ気味ながらダウンを喫する。しかし2回開始直後、エストゥピニャンの左フックを食らってゴンサレスはダウン。ダメージは深く、追撃打を浴びてヒザが揺れる。そしてまたも切れ味鋭い左が爆発して元王者は失神。レフェリーはノーカウントで試合を止めた。タイムは1分17秒。観戦したゴールデンボーイ・プロモーションの関係者が食指を伸ばしそうなエストゥピニャンのパワー。敗れたゴンサレス(52勝44KO6敗1分)は、同じマルドナド・マネジャーの選手だったレネ・アルレドンドの終期と似た危なさも感じられた。
 セミファイナルではWBCウェルター級5位ホセ・ルイス・クルス(メキシコ=元1位)がオスカル・デルガド(メキシコ)に3回1分22秒KO勝ちを収めた。これがブランク後復帰2戦目になるクルスは強打にモノをいわせて攻め込み、最後は左ボディーで10カウントを聞かせた。クルスは29勝24KO1分。「ぜひマヨルガに挑戦したい」と意気巻いたが、これはいくらなんでも早すぎる。デルガドは22勝8KO21敗の選手だ。(三浦 勝夫)

 BOX ON! 海外ニュース(12月4日)

WBC、事故を防いだJBCを大称賛
 11月9日、神戸で行われたOPBFバンタム級タイトルマッチで長谷川穂積(千里馬神戸)に10回TKO負けし、緊急入院して脳の開頭手術を受けた挑戦者アルビン・フェリシルダ(フィリピン)選手だが、この一連の行動に対してWBCホセ・スライマン会長から称賛のメッセージが日本ボクシング・コミッション(当日はJBC関西事務局の管理)へ送られた。それによると、試合を管理した担当医師団の迅速な対応が事故を未然に防いだ――というもの。また「医師団の行動は緊急事態における手順書通りの速さと的確さがあった。今後の防止対策の模範となるもの」と付け加えられている。OPBFは組織上、WBCに属し、現在本部国の豪州を通じてスライマン氏へ報告されたと思われる。WBCはOPBFとも協議し、フェリシルダ選手の今後の人生に対し経済的な支援を施すことも明らかにしている。


トゥア、またトラブル  WBO戦降りる

 ドン・キング・プロモーションが入札に勝ち、来年2月14日、デビッド・トゥア(1位)−ラモン・ブリュスター(2位)の間で争われる予定だったWBOヘビー級王座決定戦。しかし、今年はじめクビにしたトレーナーとマネジャー2人が「解雇は不当」と訴訟を起こしていることが災いし、トゥアが出場を辞退する決断を下した。トゥアは今月13日、宿敵ハシーム・ラクマンとWBAヘビー級王座を懸けて戦うことになっていたが、同じ問題でリタイアを余儀なくされ、WBOに標的を変更していた。だが問題は根強いようだ。トゥアのプロモーター、セドリック・クシュナー氏は「私は100 %トゥアをバックアップする。彼は世界的にもベストファイターの一人」と明言するのだが、トゥア自身がリングへの意欲を失っているという見方もあり、去就が心配される。なお、トゥアに代わって元王者ウラジミール・クリチコがブリュスターと対戦するといわれる。(三浦 勝夫)

 BOX ON! 海外ニュース(12月2日)

チャベス、ラストファイトはパエスと
 一度敗れている相手ウィリー・ワイズ(CHAVEZ,JC.FACE.JPG - 7,080BYTES米)を下して引退のカウントダウンに入ったメキシコの英雄、フリオ・セサール・チャベス(41歳)だが、来年2月メキシコシティで予定されるグランドフィナーレの相手に元フェザー級王者ホルヘ“マロメロ”パエス(メキシコ)が選ばれたことが分かった。これはメキシコのスポーツ紙エストが報じたもので、試合はメキシコの大闘牛場プラサメヒコで挙行される。当初チャベスの対戦者には一度戦ったヘクター“マッチョ”カマチョが有力といわれたが、カマチョが152 ポンド以下には落とせず、リストから除外(チャベス自身もワイズ戦で151 ポンドあったが…)。また過去1勝1敗のフランキー・ランドール(米)も自ら名乗りを上げたものの、最近シカゴで行った試合で敗れ、消えてしまった。
 パエスは今年、ネバダ州が実施したMRI検査でアウトになり、引退が決定的だったが、強引にリングに復帰。S・フェザー級王座挑戦をめざしている。チャベスはこの最終戦をS・ライト級をオーバーする143 〜145 ポンド程度で戦いたいと語っているが、パエス(38歳)もそれに合わせて増量するという。派手な衣装とアクションで売るパエスは今でも人気者で、それが対照的に硬派のチャベスとのマッチメークを呼び込んだ理由のようだ。


三太、3連勝

 復帰後、頻繁にリングに上がる元WBC世界ライト級王者ミゲール・アンヘル・ゴンサレス(東京三太=メキシコ)が11月28日、デュランゴ州ゴメス・パラシオに登場。地元のノルベルト・サンドバルに3回KO勝ちを収めた。サンドバルはアメリカでも勝ち星を上げている実力派ボクサー。この日もJ・ミドル級の体重で戦うゴンサレスを苦しめる。3回開始直後、ゴンサレスは額をカットし、ドクターチェックを受けるピンチ。しかし、ストップを回避したい元王者が渾身のアタックを試みると、サンドバルは2度倒れ、そのままカウントアウトされた。これで3連勝の三太だが、トレーナーはまだまだウェイトを絞る必要があると言っている。(三浦 勝夫)

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