BOX ON! 海外ニュース(8月30日)

「本田を中盤で倒す」
ムニョスKO宣言
MUNOZ.JPG - 4,709BYTES 本田秀伸(グリーンツダ)の挑戦を受けるベネズエラのKOキング、アレクサンデル・ムニョスが高らかにKO宣言――。ムニョスといえば、ロードワーク中に暴漢に撃たれ後、逆脚のヒザを負傷し、リングから遠ざかっているが、「ブランクはまったく心配なし」と言い切り、その理由に質、量とも充実したスパーリングを挙げている。何でもサウスポー対策用に集めたパートナーにはウェルター級、ライト級、フェザー級と自分よりかなり大柄な選手がいるとのこと。6月に対戦する予定だったマルティン・カスティーリョ(メキシコ)に備えて、その時点でスパーを70ラウンドこなしていたという。

 まだ本田のビデオは見ていないというが、今までセレス小林、小島英次を撃破しているだけに「サウスポーはまったく問題ない」と受け流す。「今回もKO狙い?」という問いに対して「シー(イエス)」と即答し、「6回か7回あたりに倒す」と怪気炎を上げる。そして「今度の試合はスピードを生かした連打とパワーでKOする」とスピード強化を図っていることを暗示。「ホンダを倒したら、いつかトクヤマとの統一戦を実現させたい。あとKO勝ちを5つ続けて、パーフェクトレコードを28まで伸ばすのが私の目標」と相変わらずの自信家ぶりだ。(三浦 勝夫)

 BOX ON! 海外ニュース(8月28日)

デラホーヤ−モズリー2はほぼ完売の人気
DELAHOYA MOSLEY 2.JPG - 17,254BYTES 9月13日ラスベガスで行なわれるオスカー・デラホーヤ対シェーン・モズリーのWBC世界S・ウェルター級タイトルマッチは、すでにチケットが完売状態の人気。デラホーヤは今月中旬のスパーで左手首近くを傷めたが、試合を延期するほど重症ではないということだ。モズリーはデラホーヤに勝った後で2度バーノン・フォレストに敗れており以前の勢いはないが、それでもこの盛り上がりはひとえにデラホーヤの異常人気のおかげ。試合の賭け率をみると、5−2でデラホーヤがリベンジに成功するとの予想に傾いている。スーパースターの先輩、シュガー・レイ・レナード氏(現プロモーター)も「オスカーは初戦の時よりさらに真剣だ」と、勝利を予測する1人だ。
 

 

 BOX ON! 海外ニュース(8月28日)

ROUND-UPS-ICON.JPG - 4,155BYTES
ジョーンズはL・ヘビー級に戻る!?
JONES BELT.JPG - 16,933BYTES WBA世界ヘビー級王者ロイ・ジョーンズ(左写真)が11月8日に予定している試合は、再びL・ヘビー級に下げて、IBF同級の新王者アントニオ・ターバーと対戦する可能性が強まっている。ジョーンズ自身が認めたもので、ラスベガスの他にアフリカのケニアで開催案もある。この通りだと当然ヘビー級王座ははく奪となり、すでに上位の2位デビッド・トゥアと3位ハシム・ラクマンの間で王座決定戦の動きが出ている。しかしジョーンズは前言を翻す”常習犯”だけに、まだ正式発表が出るまでわからない・・・・・ヘビー級の”忘れられた王者”ともいわれるIBFのクリス・バード(下写真・右)は予定通り9月20日コネティカット州アンキャッスビルで最上位挑戦者フレス・オケンドと対戦する。2人とも地味な選手で「実現すれば赤字興行必至」ともみられていた。ドン・キング・プロモーターがなかなかゴーサインを出せなかったのもこのせいか。この日は他にアレハンドロ・ガルシアロシー・ウェルズのWBA世界S・ウェルター級戦BYRD-HOLLY.JPG - 17,242BYTESと、ハーキュレス・キベロスラファエル・ピネダのIBF世界ウェルター級王座決定戦も用意されている。この階級は王者コーリー・スピンクスが現王者だが、キングとの契約でもめ、試合をしないことからはく奪が決定的になっている・・・・・もうひとりヘビー級の無名王者、コーリー・サンダース(南アフリカ)は対戦を口にしたロイ・ジョーンズに振り回され、結局対戦をあきらめて最上位挑戦者ラモン・ブリユスター(米)相手に初防衛戦に臨むことに。10月16日に行なう−−とこの試合の興行権を落札したピーター・コール・プロモーターは語っている・・・・・サンダースに惨敗してWBO王座から転落したウラジミール・クリチコ(ウクライナ)は今週末(30日)にミュンヘンでファビオ・モーリ(アルゼンチン)相手に復帰戦のリングに上がる。またウラジミールの兄でルイスに善戦したビタリは、12月6日に試合予定がある。「ルイスとの再戦が来年に延びたための調整試合」といわれているが、ルイス陣営は「最初から年内はリングに上がらないと決めていた」と反論している・・・・・シドニー五輪S・ヘビー級金メダリストからプロ転向後11戦全勝7KOのオードリー・ハリソンが本格的に米国リングに進出することに。「ESPN2」と3試合の契約を結んだ。9月9日に第1戦を予定している・・・・・S・フェザー級のKOキング、アセリノ・フレイタスがライト級転向を計画中。来年1月にWBO王者アルツール・グリゴリヤンに挑戦を期してすでに交渉に入っているとか・・・・・WBC世界ライト級王者フロイド・メイウェザー(米)が強敵と対戦。11月1日、郷里ミシガン州グランドラピッズでアフリカの強豪フィリップ・ヌドゥー(南アフリカ)と対戦することになったもの。ヌドゥーはこれまで31勝30KO1敗で現在21連勝中のホープだ・・・・・フアン・マヌエル・マルケス(IBF王者)対デリック・ゲイナー(WBA)のチャンピオン統一戦はゲイナーのケガで延期になったが、この試合は11月1日に開催の予定・・・・・WBC世界フライ級王者ポンサクレック(タイ)は10月18日タイで1位フセイン・フセイン(豪)との指名試合に臨むことが決定・・・・・9月12日に韓国で予定されていたWBA世界Lフライ級王者ロセンド・アルバレス(ニカラグア)対元WBC同級王者崔尭三(韓国)のタイトル戦は中止になっている・・・・・WBC世界L・フライ級王者ホセ・アントニオ・アギーレがパパに。ビアネイ夫人が女の子を出産し、夫妻の初の赤ちゃんは早速「ナオミ」と名づけられた。

 BOX ON! 海外ニュース(8月24日)

新旧女王対決非情の決着
レイラが予言的中の4回KO勝ち
ALI,LAILA030822.JPG - 8,438BYTES やはりサイズが違いすぎた! 23日米ミシシッピー州ビロクシで行われた女子ボクシング話題のピッグマッチは、レイラ・アリ(25歳)が元祖女王クリスティ・マーチン(35歳)を4回48秒KOに破り、保持するIBA世界S・ミドル級王座を守った。
「新旧女王の対決」として評判を呼んだ一戦は、約1万席の会場が売り切れとなる異常人気。アリの父が入場すると、場内に「アリ、アリ、アリ」の大コールがこだました。リングサイドではロイ・ジョーンズも観戦するなど、注目のうちに試合開始。「試合は5回を越えることはない」とレイラは往年の父モハメド・アリばりにKO予言していたが、まさしくその通りになった。3回に右アッパーの連打でクリスティをダウンさせたレイラは続く4回、ライバルをロープに釘付けにし、クイック連打でひざまづかせた。試合が終わるやいなや、父アリがリングに駆け上がり、愛娘を祝福した。
 レイラはこれでデビュー以来16勝13KO負け知らず。一方大試合を落したマーチンは「(相手が)大きすぎたわ」と何度も繰りかえし、サイズの違いを訴えていた。前日の計量では、アリが162ポンドとベストだったのに対し、クリスティは159ポンドと、予想された145ポンドをはるかに上回る体重を計測し、関係者は首を傾げていた。元々S・ライトがベストのクリスティと、S・ミドルのレイラとではハンデがありすぎ、賭け率も3−1と差が開いていた。

 

 BOX ON! 海外ニュース(8月24日)

ナバロがWBC米大陸王座防衛
元WBO王者リバスに辛勝 来年徳山の王座も狙う?
NAVARRO,JOSE.030823.JPG - 8,699BYTES シドニー五輪代表からプロ転向したアメリカのホープ群の1人、ホセ・ナバロ(左写真)が21日カリフォルニア州サンノゼで元WBO世界S・フライ級王者アドニス・リバス(ニカラグア)と対戦、僅差の3−0判定勝ちでWBC米大陸同級王座の防衛に成功した。同時にデビュー以来の不敗記録も18(7KO)に伸ばしている。
 サウスポーのチャンピオンは前半多彩なパンチでリバスを圧倒したが、後半は元世界王者の粘り強い連打に遭い苦戦。スコアは115−113が2人と残る1人も116−112と全員がナバロの勝ちとつけたが、引き分けに近い内容だった。勝者は「今度は本当にタフな試合だった」と振り返ったが、今後については前向き。「来年初め頃までには、どの団体のチャンピオンでもいいから挑戦したい」というから、WBC王者の徳山昌守もターゲットに入っている? ナバロは現在WBC11位にランクされている。 

 BOX ON! 海外ニュース(8月23日)

アリ−マーチン女王対決
勝利の女神はどちらに?
ALI,LAILA030822.JPG - 8,438BYTES レイラ・アリの若さとパワーが圧倒するか、それともクリスティ・マーチンの気迫と熟練が制すか? 23日(日本時間24日)米ミシシッピ州のカジノ街ビロクシで行われるIBA世界S・ミドル級タイトルマッチ10回戦に注目だ。
 モハメド・アリの娘という”親の七光り”も手伝ってデビュー前からビッグスターだったレイラ(25歳:左写真)に対して、女王クリスティ(35歳:下写真)は大試合経験も豊富な元祖女王。アリがデビュー以来15勝12KO不敗なら、マーチンは45勝30KO2敗2分と実に3倍以上のキャリアはあなどれない。しかし、今回はアリのベスト・ウェイト、S・ミドル級で行われるが、挑戦者マーチンはS・ライトがベストだから、両者の体格差は少なくMARTIN,CHRISTY.030822.JPG - 7,420BYTESない。これが影響して、賭け率は3−1でアリの勝ちに傾いているのだ。しかし「経験の差が勝負を左右し、マーチンが勝つ」という専門家も少なくない。アリとて人気の割りに実力の方はまだ疑問符がとれておらず、今回が真価が問われる一戦となることは間違いない。
 試合はPPV(ペイ・パー・ビュー)で放映されるが、 主催者は早々とこの試合が女子ボクシング史上最大の興行となると宣言している。

 BOX ON! kニュース(8月23日)

ジョーンズ、L・ヘビー級にUターン
ターバーに挑戦!?
JONES,ROY.030809.JPG - 10,699BYTES 対立王者コーリー・サンダース(WBO、南ア)との統一戦か、WBC&IBF世界L・ヘビー級王者アントニオ・ターバー(米)に挑戦かで去就が注目されるWBA世界ヘビー級王者ロイ・ジョーンズ・ジュニア(米)が、ひとまずヘビー級王座をキープしながら、ターバーとの一戦に応じる構えを見せている。期日は11月8日が有力だ。
 外電などで一時「サンダース戦が内定」と報じられたジョーンズ。しかし希望する前回のジョン・ルイス戦以上の報酬が望めないことと、強行すればWBOがサンダースのベルトをはく奪することに同意しかねていた。いかにもプライドの高いジョーンズだが、同時に「個人的なしこりからターバーと対戦したい」と広言していたのも事実。一足先にサンダースはWBOから義務づけられているラモン・ブリュスターとの防衛戦の日取りを決めている。ジョーンズ自身は「まだ実現までプロモーターやマネジャーとの間に障害はあるけれど、11月8日ターバーとやる方向に向かっている」と胸中を明かす。ヘビー級を極めながら軽いクラスへのUターンは意外に感じられるが、ジョーンズならではのフレキシブルな対応といえよう。
 ジョーンズの行動に対してターバーの王座を認可する団体の一つWBCも柔軟な態度を示している。スライマン会長によると、1位クリントン・ウッズ(英国)が降りた挑戦者決定戦は、2位ポール・ブリックス(豪州)−ジョージ・ジョーンズ(米)の間で行われ、勝者がターバー−ジョーンズ戦の勝者との対戦を義務づけられる。一方、ジョーンズ(ロイ)は、L・ヘビー級王座を放棄してヘビー級王座に戻ることも可能。
 ジョーンズにとりターバー戦は、ヘビー級ビッグマッチまでの“中継ぎ”とも受け取られ、再びヘビー級にカムバックした時点で果たして誰が彼の相手にクローズアップされるのかも興味を引かれるところだ。

 また、ターバー戦の試合地は、かねてからジョーンズが企画していたアフリカ・ケニアの線も消えていない。そのキャンペーンにジョーンズ自身が近々ケニアを訪問する予定だが、金銭面で実現は難しいと見る向きが強い。(三浦 勝夫)

 BOX ON! 海外ニュース(8月22日)

”金欠タイソン”のK−1行き濃厚?
TYSON.AFTERWARD.CF.03082.JPG - 13,406BYTES ボクシング・ファンにはあまり愉快な話ではないが、先週末ラスベガスのK−1大会にゲスト出演したマイク・タイソン(37歳)がボクシングからK−1に転向する可能性が高まっている。
 米国の興行界に強い関係者からの情報によると、「タイソンはボブ・サップとなら軽く勝てると信じている。自己破産手続きをするほど金に困っている現状だから、楽をして大金を稼げるK−1出場にその気になっている」と、日本のスポーツ紙が報じているタイソンのK−1参戦に肯定的な見方をしている。K−1側はラスベガスのリングサイドにタイソンを招待するのにもかなりの報酬を払ったという情報もあり、タイソンが「次は試合で」という気になるのも無理はない。元世界ヘビー級チャンピオン、タイソンの現在の「商品価値」は、ボクシング界よりもK−1やプロレスの方がより大きいというのは衆目の一致するところだ。。
 最近のタイソンは、2月にメンフィスでクリフォード・エティエンヌを初回49秒でKOした後は、もっぱらリング外の話題のみ。レノックス・ルイス、ロイ・ジョーンズらの王者からオファーがあったものの、本人がイエスと言わずに話はすべて流れている。一方では離婚した2番目の妻モニカ・ターナーさん側に高額の慰謝料を払う義務を負っているものの、今月初めにはニューヨークの破産裁判所に自己破産手続きを取っている。リングでトータル3億ドル(約360億円)も稼いだといわれながら、浪費と搾取でほとんど遣い果たし、「金欠病状態」というタイソン。ドン・キングに1億ドルを搾取されたと訴えている裁判の審理開始は来年に延期されたばかりだ。 
 タイソンが今一番高額の報酬を稼ぎたいのなら、ルイスに再挑戦するのが手っ取り早いが、なぜ断ったのか? 「今のタイソンは衰えを自覚しているから、なかなか(ボクシングの)試合をやりたがらない。練習もせずに遊んでいる状態と聞く。現在ある話は11月のロイ・ジョーンズの試合の前座でやらないかというもの。これを蹴ると、もうボクシングではチャンスはないから、あとはK−1でやるしかないだろう」と関係者は語っている。この通りなら、アメリカのボクシング・メディアはまだどこも報じていないが、いよいよタイソンのK−1デビュー濃厚か−−?

 BOX ON! 海外ニュース(8月19日)

バード−オケンド戦決定
BYRD.JPG - 5,582BYTES 防衛戦の予定が決まらなかったIBF世界ヘビー級王者クリス・バード(米)がようやくリングに立つことになった。バードは9月20日、コネチカット州アンキャッツビルのモヒガンサン・アリーナで、2位フレス・オケンド(プエルトリコ)の挑戦を受けることが決定した。これはドン・キング・プロモーターが発表したもので、バードは2度目のヘビー級王者としての初防衛戦となる。当初この日は、バーナード・ホプキンス−ウイリアム・ジョッピーのミドル級統一戦が予定されていたが、12月まで延びることが確実となったため、このバード−オケンド戦がセットされたもよう。試合はHBOによって全米に放映される。(三浦勝夫) 


「タイトルを盗まれた」とグリーン嘆く
 16日、ドイツで開催されたWBC・S・ミドル級タイトルマッチで、王者マルクス・バイヤーを重大なピンチに追い込みながら、失格負けの裁定に泣いたOPBF同級王者ダニー・グリーン(豪州)は「完全にアンフェアでショキングな出来事。残された今後の人生をどう生きていくかとまで悩んでしまうほどだ。できる限り強い人間になってポシティブに生きて生きるしかないけど」と悲痛な胸中を明かす。また、彼のトレーナーで元3階級制覇王者ジェフ・フィネクも「レフェリーとWBCに対してただちに法的な動きを取りたい」とカンカン。バイヤーは「グリーンは汚いテクニックを使った」と叫んでいるものの、当の豪州人は「私はけっしてダーティーファイターなんかではない!」と完全否定している。試合はグリーンが1、2回とバイヤーを倒し、その後も優勢だったが、5回に起こったバッティングでバイヤーが続行不可能な傷を負い、主審はグリーンの反則負けを宣言したもの。リマッチは必至か?
 

 BOX ON! 海外ニュース(8月17日)

シリモンコン、テキサスで落城
CHAVEZ-SIRIMONKOL.1.030815.JPG - 14,854BYTES WBC世界S・フェザー級王者が交代した。8月15日、米テキサス州オースチンで1位ヘスス・チャベス(メキシコ)との指名試合に臨んだ王者シリモンコン・シンワンチャー(タイ)だったが、大差の判定負けでベルトを明渡してしまった。
 試合は「チャベス!チャベス!」と大声援を送る地元ファンにサポートされた挑戦者がリズムに乗った攻撃を仕掛けてスタート。チャベスの突進の前に後手に回るシリモンコンも右をヒットするが、7回に右マブタをカットし、いっそう劣勢が際立つ。そして10回にはチャベスの左でグラリと体が揺れ、ボディー連打を浴びて、あの辰吉戦の再現が訪れのかもと思わせた。このピンチを自分から攻め込んで切り抜けたシリモンコンは最終回、攻勢に転じたが、時すでに遅し。日本の森田健氏も含めた3ジャッジのスコアは117-111 が2者に118-110 でチャベス(30歳)の地元戴冠を支持していた。

稲田、モンテスに楽勝
INADA-MONTEZ030815.JPG - 16,934BYTES 同じリングには日本ライト1級稲田千賢(帝拳)が登場。8回戦でホセ・モンテス(メキシコ)を3回2分40秒TKOで下した。今回、相手選びに苦労したという稲田陣営。メキシコシティからやってきたモンテスは21勝14KO25敗という相手。両者のスピード差は歴然で、初回稲田は右アッパーで早くもダウンを奪う。その後も上下へ連打を打ち分ける稲田がおもしろいように集中打を見舞い、3回2度ダウンを追加してケリをつけた。稲田は13勝9KO無敗。稲田は9月12日、ラスベガスで再登場の予定だ。(三浦 勝夫)


マルケス貫禄勝ち ジョンソン久々の復活
 WBA王者デリック・ゲイナー(米)との統一戦がゲイナーの負傷リタイアで延期になったIBF同級王者フアン・マヌエル・マルケス(メキシコ)が8月16日、予定通り米コネチカット州アンキャッツビルのリングに上がり、ピンチヒッターのマルコス・リコーナ(メキシコ)を9回終了TKOで下した。出だしからバレラばりの正確なパンチでりードするマルケスの前にタフなアゴで対抗するリコーナだったが、8回終了前、マルケスの右アッパーが炸裂してダウン。続く9回、右ストレートで右目尻を切り裂かれたリコーナは10回開始ゴングに応じられなかった。
JOHNSON, MARK.JPG - 6,687BYTES 一方、メイン格に昇格したWBO世界J・バンタム級戦は前半目立って手数が少ない王者フランシスコ・モンティエル(メキシコ)に対して挑戦者マーク・ジョンソン(写真)がアグレッシブに対処。5回にはジョンソンの右でモンティエルはコーナー付近でダウンを喫する。その後も挑戦者に攻勢を許すモンティエルだったが、8回に入ると俄然積極的になり、右をサウスポー、ジョンソンにヒット。11回まで息を吹き返したモンティエルがポイントを上げ、勝敗の行方は混沌とする。しかし最終回ジョンソンが再び前進して打ち勝ち終了。スコアは一人が114-114 のドローだったが、他の2者は115-112 、117-110 でジョンソンの返り咲きを支持した。フライ級で2度王座に就いたジョンソン(32歳)はJ・バンタム級でも、これが2度目のベルト獲得となった。

バイヤー、命拾い
 論議呼ぶ失格勝ち
 8月16日ドイツのニュルンベルグで行われたWBC世界S・ミドル級タイトルマッチは、挑戦者のダニー・グリーン(豪州)が1、2回と王者マルクス・バイヤー(ドイツ)からダウンを奪い、その後も優勢に試合を進めていたが、5回に偶然のバッティングが発生してバイヤーは右マブタをカット。クレンシー主審はグリーンに2点減点を科したものの、中断後、続行不可能と判断。バイヤーの失格勝ちが宣言され、辛くもV1に成功。(三浦 勝夫)

 BOX ON! 海外ニュース(8月15日)

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ラリオスに石井戦後の防衛戦決まる
マルシアノの49連勝タイ狙うドイツの英雄

 9月7日に石井広三の挑戦を受けることが決まっているWBC世界S・バンタム級王者オスカLARIOS BUSTUP.030814.JPG - 15,539BYTESル・ラリオス(左写真)は、なんとその次の防衛戦がすでに発表になっている。オスカー・デラホーヤの「ゴールデン・ボーイ・プロモーション」が11月22日ロサンゼルスで予定しているトリプル世界タイトル戦のメインで1位のナパーポン・ギャティサックチョークチャイ(タイ)の挑戦に応じるというもの。当然石井に勝つことが前提だけに、大した自信である。 なお同日の残りの世界戦は、フランシスコ・モンティエル(メキシコ)−ルイス・ボラーニョ(コロンビア)のWBO・J・バンタム級戦と、ハビエル・ハウレギ(メキシコ)−リーべンダー・ジョンソン(米)のIBFライト級王座決定戦。これはスパダフォーラの返上したタイトルを争うもの・・・・・もうひとつ日本がらみの海外の話題をお伝えしたい。12日メルボルンで行なわれたIBFパンパシフィックミドル級タイトルマッチは、王者サム・ソリマン(豪)がラモン・ブリテス(アルゼンチン)に12回大差判定勝ちで王座を防衛した。スコアは三審判とも120−108と大差フルマーク。マネジャーは1年以内に世界タイトルに挑戦させたいと語っている−−それはいいのだが、実はこのソリマン、OPBFでも1位にランクされ、9月7日に熊本で現王者豊住徳太郎(本田フィットネス)への挑戦が予定されているのだ。僅か1ヵ月足らずでチャンピオンから挑戦者へと立場を変えてリングに上がるのだからあわただしい。それはそうと、日本が加盟していないIBF傘下の王者がWBC傘下のOPBF王座に挑戦するのは問題がないのだろうか?・・・・・ダリウス・ミヒMICHAELZOWSKI.JUBO.030814.JPG - 15,158BYTESャルゾウスキ(右写真)がマルシアノの不滅の記録に挑戦−−ロイ・ジョーンズの戦わざるライバルといわれたWBO世界L・ヘビー級チャンピオンは10月18日ドイツのハンブルクで24度目の王座防衛戦を予定しているが、これに勝つと、デビュー以来不敗の49連勝となり、これは元世界ヘビー級王者ロッキー・マルシアノ(米)がマークした生涯不敗記録と同じ勝ち数となる。まだ相手は決まっていない・・・・・IBFが世界フライ級王者イレーネ・パチェコ(コロンビア)に対し90日以内に最上位ランカーを相手に防衛戦を行うよう指令を出している。パチェコは昨年、一昨年と年に1度防衛しただけで、今年はまだチャンピオンとしての義務を果たしていない。現在1位のフセイン・フセイン(豪)はWBC王者ポンサクレックに挑戦が決まっており(10月)、5位のダミアン・ケリー(北アイルランド)が出場できる最上位コンテンダーとして指名されている。
 

 BOX ON! 海外ニュース(8月12日)

ゲイナー負傷で統一戦中止
マルケスは別の相手と対戦?
GAINER,030704HP.JPG - 2,517BYTES
 今週土曜日、8月16日に米国コネチカット州で予定されていたWBA&IBF世界フェザー級チャンピオン統一戦は、WBA王者デリック・ゲイナー(米:写真)がスパーリング中に左胸の筋肉を痛めてリタイアを余儀なくされた。裂け目も入り、完治まで6から8週間かかるというからかなりの重症か。統一戦を期待したファンはがっかりだが、マルケスには急きょ、違う相手との防衛戦が組まれることになりそう。テレビ(HBO)の承認が得られれば、あす火曜日(現地時間)にルゥ・ディベラ・プロモーターから発表されることになっている。なおゲイナーは2年前にも報酬を理由にマルケスとの試合をキャンセルした前歴がある。

 
デラホーヤ−モズリー戦ほぼ完売
 9月13日ラスベガスのMGMグランドホテルで挙行されるオスカー・デラホーヤ対シェーン・モズリーのWBA&WBC世界S・ウェルター級のチケットは251枚を残すのみとなった。主催のトップランク社によると、すでに16,128枚が売れているそうで、すでにソールド・アウト(完売)状態。会場のMGMでは2万人収容のクローズド・サーキット席を設置する計画もあるという。

                                                                                                     (三浦 勝夫)

 BOX ON! 海外ニュース(8月11日)

フレイタス、スリリングなTKO防衛
ダウン応酬の大激戦、最終回バリオス下す
FREITAS,ACELINO(FACE).JPG - 4,630BYTES 8月9日(現地時間)米国フロリダ州マイアミで行われたWBA/WBO統一世界S・フェザー級タイトルマッチは、王者アセリーノ・フレイタス(ブラジル)と挑戦者2位ホルヘ・バリオス(アルゼンチン)がダウン応酬の激戦を演じた末、フレイタスが最終12ラウンド55秒ストップ勝ちで11度目の(WBAは3度目)防衛を果たした。
 序盤、両者は一進一退の攻防を展開したが、バリオスは3回に左マブタをカットし、以後出血のハンディを負う。アウトボクシングを繰り広げるフレイタスに対して懸命に肉迫するバリオスは8回終了近く、左でフレテタスからダウンを奪う。傷口が広がるバリオスのアタックをかわしていた王者だが、11回、右を食らって2度目のダウン。形勢が危うくなったものの、この回終了ゴングと同時に放った右が見事に挑戦者を捕らえ、バリオスは脚を震わせて崩れ落ちる。最終回、ダメージが残る相手からダウンを追加したフレイタスの追撃でバリオスは再び倒れ、ストップがコールされた。
 同じリングで行われたNABF(北米連盟)ウェルター級戦は王者テディ・リード(米=WBC10位)がエリオ・オルティス(ベネズエラ)を5度倒して、4回2分58秒TKO勝利で防衛。また、WBC・S・ライト級11位フランシスコ“パンチート”ボハード(メキシコ)がレムエル・ネルソン(米)を10回判定で下している。

 

 BOX ON! ニュース(8月10日)

ジョーンズ−サンダース戦11月挙行へ
 WBOヘビー級王座は空位必至
JONES,ROY.030809.JPG - 10,699BYTES  3月にWBA世界ヘビー級王座に就いたロイ・ジョーンズ・ジュニアの初防衛戦は、現WBO王者のコリー・サンダース(南アフリカ)を相手に行われることで両陣営とも同意している−−とUSAツデイ紙が報じた。開催地は未定ながラスベガスが有力るHBOがPPV(ペイパービュー)で11月8日に挙行の予定と同紙は報じている。
 サンダースは2位ラモン・ブリュスター(米)との対戦を義務付けられており、8日にマイアミのホテルで行なわれた入札では、ドイツのプロモート会社ウ二ベルスム・ボクスが72万1千ドルを提示して落札した。しかし、サンダースには低額の報酬しか期待できないこの試合をやる意志はなく、ジョーンズ戦に傾いている。これより先サンダース側はWBOに対し、ジョーンズとの統一戦を優先するため、指名防衛戦の延期を要請していたが、これは却下されていた。
 ジョーンズはこれまでホリフィールドや、レノックス・ルイスなどと対戦が取りざたされたが、いずれも交渉が成立せず、代わりに意外なカードの登場となった。入札額が示すようにサンダースは指名防衛戦をこなすより、ジョーンズと対戦するSANDERS,CORRIE.030809.JPG - 6,760BYTES方がはるかに高収入が期待できる。このままジョーンズ挑戦となれば、タイトルはく奪は必至。すでにブリュスターと1位デビッド・トゥアとの間で決定戦を行なう話が浮上している。
 サンダース(37歳:右写真)は3月ジョーンズが勝った1週間後にウラディミール・クリチコを2回TKOに破る殊勲を挙げ王座に就いたばかり。クリチコ弟を倒した左ストレートに必殺のパワーを秘めるサウスポーで、ジョーンズにはジョン・ルイス以上の強敵となる。

 BOX ON! 海外ニュース(8月9日)

前王者ジロフ、TKOで再起飾る

JIROV-S 030807.JPG - 7,118BYTES 4月、ジェームズ・トニーとの大激戦に敗れ、プロ初黒星を喫するとともに王座を明け渡した前IBF世界クルーザー級王者ワシリー・ジロフ(カザフスタン)が8月7日、米カリフォルニア州テメクラのリングに登場。アーネスト・マティーン(米)と10回戦を戦った。

 2回まで試合はジロフが攻めあぐみ、もみ合いの多い展開となったが、3回、サウスポーのジーロフは持ち前のパワーを見せつけて左で3度ダウンを奪う猛攻。このピンチをしのいだマティーンは長いリーチを使ったディフェンスから右ショートで反撃。しかし6回に左マブタをカットし、続く7回再び左で攻勢をかけたジロフの前にストップされた。この日のダン・グーセン・プロモーターはトニーを擁する人物。宿敵のプロモーターの下で再起戦を飾ったジロフは32勝28KO1敗。マティーンは27勝9K011敗3分。
 同じ会場で行われたUSBA(全米)J・ライト級王座決定戦は元ランカーのロビー・ピーデン(豪州)がラモント・ピーソン(米)を7回終了TKOで下し、ベルトを手にした。

 BOX ON! 海外ニュース(8月3日)

辰吉の対戦予定者
ディアンソ負ける
DIANZO.030803HP.JPG - 8,525BYTES 1日米フロリダ州マイアミで行なわれた空位のWBAフェデ・セントロ世界S・バンタム級王座決定12回戦は、元WBO世界バンタム級王者マウリシオ・マルチネス(パナマ)がWBC同級14位ウーゴ・ディアンソ(メキシコ:左写真)に3−0判定勝ちを飾り、新チャンピオンとなった(WBAフェデセントロは、WBAの下部組織)。この試合でノックダウンはなく、スコアは2−6ポイント差だった。 ディアンソは辰吉丈一郎のカムバック第2戦の相手に指名されていたが、辰吉のケガで試合が9月26日に延びたことからこのマイアミの試合を優先。辰吉の所属する大阪帝拳ジムでは、間もなくディアンソに代わる相手を決め、明らかにするといっている。

 BOX ON! 海外ニュース(8月2日)

東京三太が本格的リング復帰
 メキシコからのニュースによると、引退宣言後、昨年1試合だけリングに上がっていた元WBC世界ライト級王者、東京三太ことミゲール・アンヘル・ゴンサレス(メキシコ)が9月6日、メGONZALEZ,MIGUELTOKYOSANTA.030802.JPG - 17,203BYTESキシコシティで本格的にカムバックすることになった。ゴンサレス(31歳)は最近、メキシコ北部の港町エンセナダに居を構えて暮らしていたが、すでにメキシコシティに戻り、ヌエボ・ホルダンジムでトレーニングを開始している。復帰戦のウェイトはS・ウェルター級とかなり増量するゴンサレス。他の同国の先達たちと同様、彼の辞書にも「引退」という文字はないようだ。
 ゴンサレスは、新人時代の1990年から翌年にかけて協栄ジムと契約して日本に滞在。「東京三太」のリングネームで5戦全KO勝ちし、帰国後世界王者に出世した。その後デラホーヤ(判定負け)、フリオ・チャベス(引き分け)、ヅー(TKO負け)と世界のスーパースターと対戦していた。
(三浦勝夫)
写真は「東京三太」の名で日本で戦っていた頃のゴンサレス=右= 

 BOX ON! 海外ニュース(8月1日)

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デラホーヤ−モズリー戦の前座カード発表
バレラの次戦は11月にパッキアオと?

 トップランク社が9月13日にラスベガスのMGMグランドで予定するデラホーヤ−モズリー戦COTTO_RAMIREZ_6. 030801HP. 20PC.JPG - 13,359BYTESの前座カードを発表した。セミの12回戦に抜擢されたのはプエルトリコの”トリニダードの再来”と期待されるスーパー・ルーキー、ミゲル・コット(右写真)で、デメトリオ・セバリョス(パナマ)と「WBA・S・ライト級1位決定戦」を行なう。同じくWBC世界ライト級1位のフアン・ラスカーニョ(米)は、元王者スティービー・ジョンストン(坂本と対戦!)と「挑戦者決定戦」。HBOがPPVでテレビ放映するのはこれらにもうひとつ4回戦が加わり、プロ転向したばかりのS・ウェルター級のホープ、へスス・ゴンサレス(米)が登場する・・・・・WBC世界ライト級王者フロイド・メイウェザーが、1階級上のWBA王者ビビアン・ハリス(ともに米)に挑戦する話が進められている・・・・・”フェザー級最強”の呼び声高いマルコ・アントニオ・バレラが11月1日か15日に予定する次戦の相手に、現IBF世界J・フェザー級王者マニー・パッキアオを指名。バレラは前のプロモーター(フォーラム)と決別してフリー宣言し、デラホーヤのゴールデン・ボーイ・プロモーションと契約したため、訴訟になっているが、アメリカでも人気の高いフィリピンのKOキング自身もバレラとの対戦を熱望しており、この試合が実現する可能性は高い・・・・・前回のこの欄でタイからの情報として「アランブレットの次戦は11月に1位チャナ・ポーパオイン(タイ)と対戦へ」と報じたが、これはまだ確定ではない。チャンピオン側はタイでの試合に難色を示しており、自国ベネズエラを希望しているという。一方でタイ情報では9月に挙行説も・・・・・最初の予定では7月にロサンゼルスでオスカル・ラリオスのWBC世界S・バンタム級王座に挑戦の話もあった同級16位マルコス・リコナ(メキシコ)は、8月28日カリフォルニア州アーバインで同国人のサウル・ブリセロとの10回戦が決まった。ブリセロは今月ラバナレスに勝ったばかり。デラホーヤの「ゴールデンボーイ・プロモーション」の興行・・・・・ボビー・チェズやレイ・マーサーらのチャンピオン級を手がけたベテラン・トレーナー、トミー・パークス氏が23日ニュージャージー州の自宅に近い病院で死去した。

 

  

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