ショーセイの新米ジム会長奮戦記
新田 渉世
(元東洋太平洋バンタム級王者)
1人1つ協力運動
どんなジムでも、必ずやらなくてはならないことのひとつに“掃除”というものがある。練習生指導、選手育成、マッチメーク、プロモートなどといったことに比べれば、大した事ではないかもしれないが、それは誰かがやらなくてはならない非常に重要な仕事なのである。練習生、合宿生、ジムスタッフ、あまり聞かないが清掃業者etc・・・と、ジムによって掃除をする人間は様々だ。新田ジムではオープン当初、ボランティアの2人のジムスタッフが中心となって、閉館後の掃除を担当してくれていた。もちろん彼らが来ない日は、私もせっせと頑張っていた。
やがて彼らも仕事の都合等で来られない日が多くなり、私も会長業、マネージャー業、トレーナー業とますます忙しくなってきた為、新たな対策を考えなくてはならなかった。
ちなみにHジムでは、ジム閉館時まで練習をした人間が掃除をすることになっている。「だって、あいつらは遅くまでやらせてもらってるんだから当然だよ」と、H会長は笑いながら当然の事のように話してくれた。そこには“道場”としての文化が根付いていた。
新田ジムは“道場”としての文化と、“スポーツクラブ”としての文化が混在している。やや後者の色合いの方が濃いかもしれない。“スポーツクラブ”の会員は“生徒”であると同時に“お客さん”でもある。一般的にそこには「月会費を支払い、ジムのサービスを受ける―」という構図が存在する。
時々“道場”にいるはずの練習生の中にも、“スポーツクラブ”の文化に身を置いている場合がある。一般的に“道場”では、「月謝を支払い、先生に教えを乞う―」という構図が存在しているはずだ。そういう意味では、練習生が“スポーツクラブ”の文化に身を置いてサービスを要求するのは少し筋違いとも思えるが、その線引きは難しい。
私は営業的なサービスとは少し異なるかもしれないが、基本的に“道場”練習生でも、“スポーツクラブ”の一般会員でも全く同様に、“人間としての最大限のサービス”―言い換えれば“愛情”を注いでいきたいと考えている。その点においてはどちらも全く同じでありたいと考えている。実際は行き届かない点も多々あるが・・・。
リングの掃き掃除、フロアの掃除機かけ、鏡拭き、グラブに乾燥剤を入れて陰干し、更衣室、シャワールームの掃除等々、新田ジムでの掃除といえばこんな感じだろうか。掃除担当者不在の解決策として、私は「1人1つ協力運動」を実施した。閉館時間の夜10時半まで練習をした一般会員、練習生は、何か1つ掃除をしてから練習を上がる。例えばグラブ1つでもいい。鏡1枚拭くでもいい。決して強制ではない。“道場”の練習生でさえ強制はしない。用事があるならやらなくてもいいし、やりたくなければやらなくてもいい。そんなことで始めた運動だが、今では当たり前のように稼動している。
捉え方は様々だ。なかなかやろうとしない人間もいる。私の考え方も正しいかどうかは分からない。ただ、今ではほとんど人間が、笑顔で「1人1つ協力運動参加していることだけは確かだ。
新田ジム 最新情報
・ 西禄朋は5/25(火)の末原功太郎(宮田)戦に備えて、元日本ウェルター級王者の加山利治(ワタナベ)と、竹内俊介は6/2(水)東日本新人王予選の金晢徹(ドリーム)戦に備えて、日本ライト級5位の伊藤俊介(金子)と、それぞれスパーリングの出稽古を重ねています。
・ 5/30(日)PM6:00より、新田ジムに元東洋太平洋フェザー級王者の今岡武雄氏(現イマオカボクシングジム会長)をお招きし、練習生の勉強の為に講演会を開催します。
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