ショーセイの新米ジム会長奮戦記
新田 渉世
(元東洋太平洋バンタム級王者)
女性練習生を集めるには……
'03年2月のオープンから4ヶ月ほど経った頃、ひとつの疑問が生じてきた。近年、どのボクシングジムでも、女性会員の姿をよく目にする。10名から20名の女性会員がいるジムも珍しくない。新田ジムには"ストレスパンチ"という午前中の女性向けフィットネスクラスがあり、多くの女性が汗を流しているが、それはあくまで"フィットネスクラス"であり、いわゆる"ボクシングジム"の女性会員は、当時まだ1名しかいなかった。ジム会員数増加の為に、女性は大きな要素となるはずだが、"女性歓迎"と看板や広告に掲げているにもかかわらず、「一体どういうことなのか。どうすれば女性会員が入会してくるのか―」頭を抱える日が続いた。 女性会員が多数在籍するジムに、いろいろ聞いてみたところ、「入会金や月会費を安くしても大した効果はない」「安い会費で入会した女性はすぐやめてしまう」といったことが分かってきた。「興味があっても、男しかいない所へは入りにくい」という女性達の声も多数聞いた。つまり、料金に関係なく、やりたい人間は沢山いるのだ。彼女達が入りやすい状況を作ることが肝心で、「一度ジムの門をくぐりさえすれば必ず定着する」―という結論に達した。 そこで考えついたのが、夏に向けたダイエット目的の『期間限定女性クラス』だった。まずは期間限定の低料金で女性達を集め、ボクシングジムで女性が練習している既成事実を作る。表通りからその光景はよく見えるだろうし、ホームページでも大きく紹介して、「女性でも大丈夫」という安心感を内外に持ってもらう。そして、あくまで期間限定なので、続けたい人や、新たに入会したい人は、正規料金で入会してもらう。「一度ジムの門をくぐりさえすれば必ず定着する」はずなので、この計画には自信があった。 とはいっても・・・、やっぱり初めは不安だらけだった。何しろボクシングジムというところは"汚い""くさい""危ない"の3拍子が揃っている。普通に考えれば女性にとって居心地のよい所ではない。必要以上に神経質になり、準備にあれこれ気をまわし過ぎた新米会長は、しばしばスタッフから非難を浴びたりもした。しかし、それにもめげず、気力、体力をこの『期間限定女性クラス』に注いだ。手とり足とりの親切指導。気分よく汗を流してもらう為のリップサービス。その姿はきっとホストに近いものだったに違いない。ボクシングジムの"本分"を忘れたかのように見られたかもしれない。しかし、「経営の安定は選手育成の為にも大切であり、この企画は会員数増加に必ず大きな効果をもたらすはずだ」という私なりの信念があった。 6月半ばからのスタートに向けて街中に配った広告やホームページの宣伝を見て、ひとり、ふたりと、女性クラスへの参加者が集まって来た。毎週火・木・土の15時、19時、21時という今思えば驚異的にハードな時間設定を用意し、期間限定の"ホスト"は彼女達を迎え入れたのであった。
新田ジム 最新情報
・ 1月26日(月)後楽園ホールで行われた「ゴールデンチャイルドボクシングVol.69」の試合結果は下記の通りでした。 契約63.0kg
○竹内俊介(新田)3RTKO ●栗原幸司(京浜川崎) 契約51.5kg
○佐藤祐樹(新田)2RTKO ●亀井利夫(京浜川崎) これで現在までの新田ジムプロ選手の戦績は6勝(5KO)1敗となります。
・ 先週号で紹介した現役東大生の酒井知基は、2月末に米国カリフォルニアでアマチュアの試合に出場することが決まりました。2月初めから渡米し現地でトレーニングを積む予定です。
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