ショーセイの新米ジム会長奮戦記
新田 渉世
(元東洋太平洋バンタム級王者)
胸に秘めたる「世界」への夢……
どういう訳か、新田ジムには"人の良い"人間が集まってくる。勝負の世界は"人の良さ"なんかよりも"勝利への貪欲さ"や"エゴイズム"が求められる。しかし、そんなものはリングの上で発揮すれば、普段は内に秘めていてもよい―とも思う。プロテスト申請第一号の日仏ハーフ・石井フランシスもそんな男のひとりだった。仏語、英語の講師や翻訳の仕事をしているフランシスに、私は英会話のレッスンを依頼した。「会長ならお金はいいですよ。」と、週一回一時間のレッスンを無料で引き受けてくれた。生活は楽ではないクセに、そう言ってくれたフランシスも"人の良い"人間のひとりだった。私は僅かながら授業料を支払い、マンツーマンの英会話レッスンがスタートした。 "業界"という言葉はあまり好きではないが、業界人の中で密かに憧れている人物がいる。その人物を詳しく存じ上げている訳ではないので、"生き方"や"人間性"についてというより、日本ボクシング界での業績、功績、力量、存在感等々・・・について尊敬していると言った方が適切かもしれない。「世界に通用する男」として数々の世界的なビッグマッチをプロモートし、ボクシングを"ビジネス"と呼べるモノにまで昇華させた人物と言ってもよいのではないだろうか。テレビ局とも太いパイプを持ち、磐石の体制を築き上げている。またある会合に参加した際に拝見したその人物の発言権の大きさは、他を圧倒していた。勿論語学にも堪能で、「有名な世界的プロモーター、ドン・キングとサシでわたり合える男。」「この人を通さなければ日本人が世界に挑戦することは出来ない。」といったことをよく耳にする。 おこがましくも、「この世界で生きてゆく以上は、それ位の男になりたい―」などと少しだけ思ったりする。思うくらいは勝手である。とはいえ、バックグランドや経験、経歴は"月とスッポン"以上である。というより比較することさえチャンチャラおかしい。しかし―、新米会長はとりあえず石井フランシスの英会話レッスンを受けた。そして町の英会話スクールにも通った。僅かながら上達した英語力を活かせる場は、まだ外国人練習生のお相手くらいしかない。しかし、いつの日か「世界に通用する男」になるべく胸の内は熱い。 勿論、語学以外にも学んでいかなくてはならないことは沢山ある。築いてゆかなければならない人脈や体制、鍛えてゆかなければならない精神力―。結局ボクサーを引退しても、人生を引退するまではずっとトレーニングを続けていかなければならないようだ。 韓国の師匠、元WBA世界バンタム級、S・バンタム級王者の洪
秀煥(ホン・スー・ファン)先生から、現役時代に教えられた言葉を思い出した。「ニッタ、ボクシングの小さいリングで負けてはダメだよ。人生のリングはもっと厳しいんだよ―」
少しだけ胸の内を公開してしまった。後できっと恥ずかしくなるのだろう・・・
新田ジム 最新情報
12月2日(火)AM6:45からテレビ東京にて放映中の子供向け番組「おはスタ」に、会長の新田渉世が出演しました。内容はレギュラー出演の子供タレントが新田ジムに一日入会するというものでした。3時間の収録で放映は5分間のみ。それでもジムとしては大変おもしろい体験でした。
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携帯用は:http://nittaboxinggym.sugoihp.com/i/
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