ショーセイの新米ジム会長奮戦記
新田 渉世
(元東洋太平洋バンタム級王者)
"仇敵"からのご祝儀
ジムオープンの噂を聞いてお祝いに駆けつけてくれる人は多い。思わぬ懐かしい人物に再会出来るのは、この道を選択したからこそであり、改めて「これで良かったんだ。」と実感出来たりする。 11年前に戦った元日本フライ級チャンピオン田村知範氏が、オープン前のある日、ひょっこりジムに訪れた。「オープンパーティに参加出来ないから―」と、お祝いを持ってきてくれた。私にとって初めてのタイトル挑戦試合だったが、メッタ打ちにされて8回TKO負けを喫した相手だ。試合後の勝利者インタビューでは、「もっと早く倒す予定だったんすけどねえ、練習不足で長引いちゃいました―」とファンサービスの"田村節"が憎たらしかった。双方引退後は、テレビ番組で共演したり、執筆する同じWebサイトの仲間同士で飲み会をしたりと、何度か顔を合わせてはいるが、わざわざ個人的に訪ねてくれてゆっくり話をしたのは始めてだった。長年のわだかまり(こちらが感じていただけかも知れないが―)が解けたような気がした。大した会話をした訳ではなかったが、訪ねて来てくれたことが嬉しかった。 金子ジムの先輩で、元日本Jフライ級チャンピオンの早山進氏は、オープン後少しジムらしい雰囲気が出てきた頃に顔を出してくれた。「いいねえ。もう何年も前からやってるジムみたいな雰囲気だねえ!」出来ればトレーナーとして力になってくれれば百人力なのだが、諸事情によりすぐには実現出来なかった。いつかそんな日が来たらいいな・・・と思っている。 18年も前の話だが、私は学生時代に家庭教師のアルバイトをしていた。当時の教え子のお母さんが、突然ジムに訪ねて来られた時の驚きと喜びは言葉に出来ない。 サラリーマン時代に一緒に仕事をしていたFさん―。父親の事業を継ぐ為に京都へ帰省していたが、「仕事で東京に来たもんだから・・・」と、これまた突然の来訪。一日体験コースまで挑戦し、かなりの筋肉痛だったはずなのに、「いい運動不足解消になった。」と喜んでくれた。 私は現役引退後に、一年程アメリカに住んだことがある。執筆活動をしながら、アメリカのボクシングについていろいろと勉強をしていたが、生活の為にレストランで仕事をしていた。そのレストランの日本人オーナーTさんが、日本に一時帰国した際、新田ジムにも足を延ばしてくれた。「選手がアメリカで試合をする時は、メシの心配はいらないからね!」世界進出の夢がまた大きく広がった。 「近くに用事で来たもんだから―」と、大抵の人はひょっこり顔を出してくれる。"ジムという場所"があるお陰で、いつでも誰でも訪ねて来てもらえる。たとえ小さくても"一国一城の主"となり、その"城"に人が訪ねて来てくれるのは格別の喜びである。いろいろな問題が山積し、胃の痛い毎日だが、そんな喜びが良い胃薬になったりする。 「これで良かったんだ―」
新田ジム 最新情報
・ 11/3(月)JBスポーツジムスパーリング大会の結果は、2勝8敗と戦績は良くありませんでしたが、内容は数字が示すほど悪くありませんでした。ほとんどの選手は11/16(日)の新田ジムスパーリング大会にも出場する予定です。 ・ 1/26(月)東京後楽園ホールでおこなわれる、ゴールデンチャイルドボクシングVol.69(トクホンVダッシュ第56弾)に、西禄朋、竹内俊介の2名がそれぞれ4回戦で出場致します。
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