現在の規約では、日本ボクシング協会に加盟―つまり日本において"プロの試合に選手を出場させる資格"を取得する為には、1000万円の加盟金を支払わなくてはならない。元チャンピオンには優遇措置がとられており、元世界王者は300万円、元東洋太平洋王者は400万円、元日本王者は500万円の加盟金を支払うことになっている。
それにしても高額である。ジムの乱立による「会員の取り合いを防ぐ目的」で設けられた規約だと聞いているが、支払う立場になって改めて疑問を感じるようになってきた。私の場合は400万円を支払わなくてはならない。"よんひゃくまんえん!"である。月15万のアルバイト代と試合のファイトマネーで、一家4人を食わせてきた貧乏ボクサーからそんなに取る気か?!―という子供じみた感情論はともかく、協会内部からも批判の声はよく耳にする。しかし、もし規約が改正されて加盟金制度が廃止された場合、既に加盟金を支払って活動している人間からは、不平不満の声が上がるのは必至である。まあ、この問題については別の機会に論ずるとして、とにかく私は"よんひゃくまんえん"を支払わなくてはならなかった。
Pジムのように、オープン当初は協会加盟せずにアマチュアジムとして活動し、いざ選手が育ってきた時点で正式に加盟する。―という方法も検討した。もしかしたら、近いうちに加盟金制度が改正される可能性もある・・・かな?なんて思ったりしたからだ。
結局私が選択した道は、初めからプロのジムとして出発するというものだった。まず第一に、前述したように制度改正は容易でない。第二に、なるべく早く内部事情を知ったり人脈作りをしておきたい。第三に、プロのジムとして看板を出すことで、選手志望者のモチベーションが高まる。―といった理由からだった。
というわけで、ジムオープンの約1ヶ月後に、東日本ボクシング協会のW協会長名義の銀行口座に"よんひゃくまんえん"を入金した。そしてその数日後に協会から呼び出しがかかった。「今度の定例理事会で審議にかけますから、後楽園飯店まで来て下さい。」協会理事のメンバーと面会し、特に意義がなければその場で加盟が承認されるということだった。
当日、ネクタイを締めて後楽園飯店へ向う道中、面会ではこんな事を言おう、あんな事を言おうと思いをめぐらしていた。そしていよいよ部屋に案内され、皆の前で自己紹介を始めたその時、「いやあ、遅くなりましてすいません。」と、大手Kジムの会長が入室して来た。「K会長、あの件はどうなってるんですか?」「いやあ、実はですねえ―」と、皆で別の話題が始まってしまった。司会のT会長が思い出したように「あ、そうそう、新田さんの件はよろしいですね。」と言うと、パチパチとまだらな拍手がなり、「じゃ、新田さん、御苦労様」と、出口へ案内された。「何、これだけ?」あっけに取られ、心の中でこう呟いた。「よんひゃくまんえん、払ったんだぞ!」
新田ジム 最新情報
・11/3(月)JBスポーツジムスパーリング大会に、新田ジムより10名が参加予定。
・11/7(金)AM9:00 ラジオ日本「かわさきみつけた」に、新田会長が出演します。
・11/10(月)PM6:45 テレビ東京「おはスタ」に、新田会長が出演します。
※「おはスタ」の放送日は変更になる場合もあります。
・11/16(日)新田ジム第三回スパーリング大会を開催します。
・新田ジムホームページ携帯サイトが出来ました。
アドレス→http://nittaboxinggym.sugoihp.com/i/