西島「まだ辞めない!」 惨敗招いた? ヒジを手術 7月10日、米カリフォルニア州サンノゼのリングでセシル・マッケンジー(米)にキャリア初の完敗(2回TKO負け:左写真)を喫した元祖重量級の星、西島洋介はその後傷心の心を癒すように日本に帰国し、とりあえず敗戦の原因ともなったヒジの手術に踏み切った。約3時間かかったという左ヒジの手術は成功し、今後は右ヒジにもメスを入れることになる。 以前に両ヒジの手術を体験している西島は、今回の試合を前にしても、その状態は完璧ではなかったらしい。スパーリング中もトレーナーから「ガードをもっと上げろ!」という指示かたびたび飛んだが、何度も試合が流れた西島はキャンセルを嫌って、変型していたヒジの状態を隠してジムワークを続けていたようだ。ところが不運にもマッケンジー戦の初回(セコンドの話では2分あたり)、相手のパンチが右ヒジを直撃し、以後西島はパニックに陥ってしまう。本人は「それ以来何も覚えていない」と話したらしいが、右が使えない不安が続く2回、無謀とも思える打ち合いに身を投じる原因となってしまった。何でも、インターバルでコーナーに戻った西島は、一言もヒジの不調を口にしなかったとのことだ。セコンド陣は「それが彼の性格」と西島をかばっている。 気になる今後の西島だが、惨敗ともいえる内容だけに、年齢(30歳)も加味して引退を勧める関係者もいた。西島自身のショックも相当なものがあったようだ。だが、彼は再起の道を歩みたい、と気丈に語っている。試合前のインタビューでも「自分にはボクシングしかない。まだ夢を追いかけたい」と話していた西島。周囲は「彼の熱意に押されてしまった」と西島の決意を尊重する構えを見せている。ケガなど、たび重なる不運を乗り越えて本場アメリカで孤軍奮闘する彼に再び栄光の日はやって来るのか? ヒジの手術が無事終了し、医師の試合許可をもらうことが絶対条件となるが、関係者の間では今年は治療と休養に当て、来年早々渡米、再起戦というプランも出ている。
マルケスの相手はリコーナに決定 デリック・ゲイナーの練習中の負傷で、統一戦が流れたIBF世界フェザー級王者フアン・マヌエル・マルケス(メキシコ)たが、結局同じメキシカンのマルコス・リコーナとグローブを交えることになった。試合はノンタイトル10回戦として行われる。リコーナは今月28日、ロサンゼルス近郊のアーバイン、マリオット・ホテルの定期興行に出場を予定し、調整中だった。リコーナは今年1月にもWBC・S・バンタム級王者オスカル・ラリオスとも戦っており、年に2度世界王者と無冠戦で対戦することになる。また、同日(8月16日、コネチカット州)はフェルナンド・モンティエル(メキシコ)対元王者マーク・ジョンソン(米)とのWBO世界J・バンタム級戦が挙行される。 (三浦 勝夫)
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