サンダース、WBO王座を放棄しWBCを狙う モスクワのWBC総会で表明 モスクワで開催されているWBC総会に出席したWBO世界ヘビー級王者コーリー・サンダース(南ア)がベルトを返上し、今後はWBC王座を標的に定めることを表明した。サンダースは3月に番狂わせでウラジミール・クリチコ(ウクライナ)を倒し、新王者に就いたが、思い通りに防衛戦の予定が立たず、WBOから義務づけられたラモン・ブリュスター(米)戦も日程が延期されていた。返上というよりも放棄に近いサンダースの行動に関して彼のバーノン・スミス・マネジャーは「すべては金銭的な問題。すべてはピーター・コール(ドイツのプロモーター)のせいだ」と語っている。
今回WBC総会に“押しかけ参加”のかたちとなったサンダースは早速、王者レノックス・ルイス(英国)挑戦の意志を明らかにしており、WBCスライマン会長も最新ランクでサンダースをハシーム・ラクマン、ビタリ・クリチコに続き3位の座を与える厚遇ぶりだ。なお、WBOのバルカルセル会長はサンダースの言動にもかかわらず、今のところ彼を王座から降ろしていない。
ヅーの王座はく奪 それでも“名誉”チャンピオンに 同じくモスクワのWBC総会で2日間に渡って討議されていたS・ライト級統一王者コーシャ・ヅー(豪州)指名試合遂行の件だが、結局ヅーのWBC王座をはく奪する結論に達した。これは2年以上、ヅーがWBCの指名するボクサーと防衛戦を行っていないことが原因。だが、スライマン会長の一声で今後は“名誉チャンピオン”という肩書きが与えられることになった。スライマン氏は「彼を昇進させたんだ」とご満悦だが、これは対立団体WBAの“スーパーチャンピオン”とも違う文字通りの名誉職なのか? ちなみにフェザー級王座を返上してS・フェザー級転向を宣言してエリク・モラレスも早くもフェザー級名誉チャンピオンに任命され、何とも紛らわしい。 ヅーのはく奪で空位になった王座は1位ジャンルカ・ブランク(伊)と2位の人気者アルトゥロ・ガッティによって争われ(試合は来年1月24日が有力)3位リッキー・ハットン(英国)−4位オクタイ・ウルカル(トルコ)戦の勝者の挑戦を受けることが義務づけられる。 (三浦 勝夫)
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