BOX ON! 海外ニュース(10月29日)

モラレスはスペインで無冠戦?
日本での試合計画は引っ込めるMORALES,ERIK.031028.JPG - 13,826BYTES
 12月、日本のリングに登場と噂された前WBC世界フェザー級王者エリク・モラレス(メキシコ)だが、今のところ日本での試合予定は立っていない。彼の陣営に問い合わせたところ、日本行きはほぼキャンセル。同時に欧州のスペインでノンタイトル戦を行う計画が明らかになった。相手は昨年ナジーム・ハメドと対戦した地元のマヌエル・カルボ(WBC14位)の名が上がっている。モラレスは試合に備えて来週からメキシコ高地でキャンプインの予定。(三浦勝夫)
 なお、モラレス陣営は再三「東京で試合をする」と語り、プロモーターとして本田明彦帝拳会長の名前を挙げているが、この件に関して本田氏は「交渉したこともない」と、否定している。

 BOX ON! 海外ニュース(10月29日)

スパダフォーラ逮捕されるSPADAFORA.031028.JPG - 7,263BYTES
 どうした“ピッツバーグ・キッド”。体重苦のため王座を返上した前IBF世界ライト級王者ポール・スパダフォーラ(米=28歳)が10月26日夜(現地時間)地元ピッツバーグで殺人容疑で逮捕される事件を起こした。ピッツバーグ郊外でピストルで撃たれた20歳の女性がスパダフォーラのガールフレンドだったことが発覚。警察は重要人物としてスパダフォーラの捜索を開始。約8時間もかかって捜し当てたスパダフォーラを殺人未遂および強姦容疑で逮捕した。前王者は証拠不十分ということで釈放されたが、腹部を撃たれた女性は重体。この件の2日前にもスパダフォーラは酔った状態で公衆の面前でわいせつ行為をはたらき、逮捕されている。公聴会が11月3日予定されている。

 BOX ON! 海外ニュース(10月25日)

「戸高の標的」ブレダル判定防衛
 WBAバンタム級戦
 WBA世界バンタム級王者ジョニBREDHAL,JOHNNY.0310.JPG - 13,503BYTESー・ブレダル(デンマーク)は24日コペンハーゲンで約1年ぶりにリングに上がり、10位で欧州王者のダビ・グェロー(フランス)に3−0で判定勝ちし、2度目の王座防衛に成功した。スコアは118−111、114−113、117−110とばらつきがある。ブレダル(35歳)はこれで54勝26KO2敗。
 試合後現地ではWBO王者クルス・カルバハル(メキシコ)とのチャンピオン統一戦構想が話題になっているが、ブレダルは4日に暫定王座に就いた戸高秀樹(緑)との統一戦を優先するようWBAから勧告されており、もしこれに応じない場合はタイトルはく奪となり、戸高が戦わずして正規チャンピオンにグレード・アップされることになる。


体重オーバーで王者ドーリン失格

 WBAライト級は空位、試合も中止に
 24日ルーマニアのブカレストで予定されていたWBA世界ライト級タイトルマッチは、試合前日の計量で王者レナード・ドーリン(ルーマニア)がリミットの135ポンドを5ポンド・オーバーし失格、タイトルをはく奪された。相手の1位挑戦者ミゲール・カリスト(パナマ)は134ポンドのライト級内でパス。通常このようなケースではノンタイトル戦として試合を挙行し、挑戦者が勝てば新チャンピオンとなるが、ドーリンが頑なに試合出場を拒否したため、関係者が協議した上試合は中止された。近くカリスト対上位コンテンダーとの間で空位の王座決定戦が行われる。
 なおこの試合には日本ボクシングコミッションの小島茂事務局長が立会人を務めるためルーマニア入りしている。

 BOX ON! 海外ニュース(10月19日)

池−ブロディ戦混乱の引き分け
WBC世界フェザー級王座は依然空位のまま
 エリク・モラレスがS・フェザー級に転向したため空位となったWBC世界フェザー級王座決定戦は18日イギリスのマンチェスターで行われ、1位の池仁珍(チ・インジン=韓国)と2位マイケル・ブロディー(英)との間で大激闘が展開された。
 12回の試合が終了し、10分ほど経過した後に発表された判定は2−0で池の勝ちだったが、ジャッジ・ペーパーの集計ミスがあったとして混乱。関係者が協議した末、結局試合30分後に立会人のホセ・スライマンWBC会長がミスを認めて「引き分け」となり、王座は依然空位のまま。スライマン会長は両者によるリターンマッチを認める発言をしている。
 最初発表されたオフィシャルのスコアは、2人がそれぞれ114−112、113−112で池の勝ちとし、残る1人は113−113のドロー。これだと2−0のマジョリティ・デシジョンで池の勝ちだが、その後集計ミスが判明し、引き分けと発表された。現時点で詳細は不明。初回の偶然のバッティングの際の減点の扱いがミスを誘ったという説もある。

 BOX ON! 海外ニュース(10月19日)

ミヒャルゾウスキの大記録ならず
ゴンサレスに2−0の判定負けで王座転落
 ジョー・ルイスとロッキー・マルシアノの不滅記録更新ならず−−18日ドイツのハンブルクで行われたWBO世界L・ヘビー級タイトルマッチで、王者ダリウス・ミヒャルゾウスキ(ポーランド)は2位フリオ・ゴンサレス(米)に2−1の判定負けを喫し、9年間保持してきた王座から転落した。
 これまで24度防衛し、48戦全勝のレコードを維持していたミヒャルゾウスキ(35歳)は、この日勝てばルイスの最多防衛記録とマルシアノの不敗記録に並ぶところだった。
ゴンザレスはこれが2度目の世界挑戦。01年7月の初挑戦ではロイ・ジョーンズに判定負けしたが、今度はスタートから積極的に出て、ポイントを稼いだ。ダウンシーンはなかったものの、途中ミヒャルゾウスキがコーナーを間違えるなど、ダメージがありありだった。
 ジャッジの採点は、グリエナ(米)とデービス(カナダ)の2人が116−112でゴンサレスの勝ちとし、ヤコブセン(独)は115−113で逆にミヒャルゾウスキの勝ちと割れたが、新チャンピオン誕生となった。これでゴンザレス(26歳)は35勝22KO1敗。

 BOX ON! 海外ニュース(10月19日)

ムニョス、次は小島との再戦?MUNOZ-HONDA VICTORY.031004.JPG - 18,371BYTES
 ベネズエラからの情報によると、本田秀伸(グリーンツダ)の挑戦をプロキャリア初の判定勝利で退けたばかりのWBA世界S・フライ級王者アレクサンデル・ムニョスが次回防衛戦の相手としてOPBF同級王者に返り咲いた小島英次(金沢)とWBA3位ロヘリオ・ガリシア(比国)の2人をピックアップしていることがわかった。
 小島とは昨年7月大阪での初防衛戦で対戦し2回KOで撃退している。もしリマッチが実現すれば、日程は来年1月が濃厚という。ムニョスは今月27日からトレーニングを再開するという。                                   (三浦 勝夫)

 BOX ON! 海外ニュース(10月16日)

クリチコ兄、再起戦はジョンソンと
6月、KLITITSCHKO,VITALI-MIURA.JPG - 13,318BYTESレノックス・ルイス(英国)に挑戦、善戦空しく負傷TKO負けで涙をのんだビタリ・クリチコ(ウクライナ:右写真)がランカー、カーク・ジョンソン(カナダ)を相手に再起戦を行うことになった。試合は12月6日、ニューヨークのマディソン・スクウェア・ガーデンで予定され、HBOによって放映される。
 ジョンソンはルイス−クリチコ戦の前、ルイスの挑戦者に選ばれていたが、スパーリング中に負傷し、試合2週間前に出場を辞退した経緯がある。今回の試合はWBC世界ヘビー級挑戦者決定戦と銘打たれ、勝者がルイスの指名挑戦権を手に入れる。「マディソン・スクウェア・ガーデンでファイトできることはボクサーとして長年の夢だった。でも相手(ジョンソン)は速いので気を引き締めている」とクリチコ。プロモーターはクリチコを擁するドイツのピーター・コール氏。同じリングにはホワイトホープ、ジョー・メシー(米)も登場し、モンテ・バレット(米)と対戦する。


12月13日アトランティックシティは8タイトル戦挙行
HOPKINS.030721.JPG - 7,118BYTES ドン・キング・プロモーションによって開催される12月13日アメリカ、アトランティックシティでの複数タイトルマッチだが、全部で8つの世界タイトル戦が行われるマラソン興行になりそうだ。すでに発表されているバーナード・ホプキンス(左写真)−ウイリアム・ジョッピーのミドル級統一戦、リカルド・マヨルガ−コーリー・スピンクスのウェルター級統一戦、ハシーム・ラクマン−ジョン・ルイスのWBAヘビー級挑戦者決定戦に続き、ロセンド・アルバレス−ビクトル・ブルゴスのWBA&IBF・L・フライ級統一戦、ルイス・ペレス−フェリックス・マチャードのIBF・J・バンタム級戦、アレックス・ガルシア−グスタボ・マガジャネスのWBA・S・ウェルター級戦が組まれ、プラスWBCクルーザー級王者ウェイン・ブレスウェイトの防衛戦、そしてWBO・J・ウェルター級王者ザブ・ジュダー(負傷中といわれるが…)もV1戦を予定している。
 キング氏は「これは歴史に残るモンスター興行。私はほかの誰もが達成できなかったことに挑戦したかったんだ。ファンには早いクリスマス・プレゼントになる」とご満悦。それにしても8試合…。観戦する側も大変?
ラバナレス、すっぽかし病再発
 辰吉のRABANALES.POSE. 030719.JPG - 9,918BYTES好敵手、元WBCバンタム級王者ビクトル・ラバナレス(メキシコ)がまたも組まれていたカードから逃亡し、関係者を呆れされている。ラバナレスは先週金曜日、フリオ・セサール・チャベスのホーム、クリアカンで地元ホープのフェルナンド“ワリー”ベルトラン(同名の父がフライ級世界タイトルに挑戦した二世ボクサー)と対戦するはずだったが、会場に姿を現さず、試合はキャンセル。プロモーターは、すでにファイトマネーの前金を支払っており、再発した彼のすっぽかし病にカンカン。それでも懲りずに?改めて11月7日、元王者を呼ぶ予定だそうだ。ラバナレスは報酬の不満などで、これまでも何度か敵前逃亡した事実がある。(三浦 勝夫)

 BOX ON! 海外ニュース(10月15日)

WBCフェザー級、池−ブロディーで決定戦
勝者にバレラが挑戦
 エリク・モラレス(メキシコ)が返上したWBC世界フェザー級王座は、今週土曜日18日、英国マンチェスターのメン・アリーナで行われる1位池仁珍(韓国)−2位マイケル・ブロディー(英国)の間で争われることになった。モラレスとフルラウンド戦った池と元WBC世界S・バンタム級王者のブロディーの一戦は正規王座か暫定王座戦かで発表が遅れていたが、モスクワで開催されていたWBC年次総会で正規王座決定戦に承認された。この試合の勝者に無冠ながらフェザー級最強を誇示するマルコ・アントニオ・バレラ(メキシコ)が挑戦することが内定している。前マネジャー、リカルド・マルドナドとWBCスライマン会長との確執が原因でバレラはWBCタイトルを放棄、無視する態度を貫いてきたが、マルドナド氏と決別したため、WBCに急接近していたといわれる。いよいよWBCとの“冷戦”に終止符を打ち、実力とともに肩書き(タイトル)を求めてきた様子だ。決定戦に出場する2人もバレラの相手になれば高報酬が約束されるだけに、白熱した戦いが期待できそうだ。


ミヒャルゾウスキに挑むゴンサレスがドイツ到着 
今週土曜日、もう一つ欧州で挙行されるタイトル戦がV24戦を迎える王者ダリウス“タイガー”ミヒャルゾウスキ(ドイツ)対フリオ・ゴンサレス(メキシコ)のWBO世界L・ヘビー級戦だ。この試合に勝てばジョー・ルイスの防衛記録にあと一つと迫り、ロッキー・マルシアノの49連勝記録に並ぶミヒャルゾウスキ。挑戦者のゴンサレスが昨日12日、試合地ドイツ、ハンブルグに到着した。「観光旅行の気持ちは全然なく、ベルトを獲りに来た」とコメントしたゴンサレスに同行したのは弁護士でマネジャーのノーマン・カプラン氏(以前薬師寺の世界戦をサポート)、おなじみのマック・クリハラ・トレーナー、そして友人で元ランカー、ヨニー・バルガスの3人。大一番に前にゴンサレスは再びクリハラ氏とのコンビを復活させた。試合は10月18日(現地時間)ハンブルグのAOLアリーナで予定される。(三浦 勝夫) 

 BOX ON! 海外ニュース(10月12日)

WBA・L・ヘビー級戦で番狂わせ
37歳ブランコが初の王座獲得BLANCO,SILVIO.JPG - 9,741BYTES
 イタリアのベテランが大殊勲! 10日マルセーユで行われたWBA世界L・ヘビー級タイトルマッチで番狂わせの王座交代劇があった。ホームリングで初防衛戦に臨んだ王者メディ・サヌーヌ(フランス)が同級12位シルビオ・ブランコ(イタリア:右写真)に11回レフェリー・ストップ負けを喫し、タイトルを手放したもの。それまで老獪なブランコのジャブで強打を阻まれ、顔をひどく腫らす苦戦を強いられていた。
 37歳のブランコはプロ歴15年、57戦目(49勝30KO6敗2分)にして初のメジャー団体世界王座獲得(マイナーのWBU王座獲得歴あり)。対するサヌーヌ(27歳)は3月に同国のブルーノ・ジラールを破って王座についたばかりで、これが25戦目にして初黒星(24勝21KO)だった。
 

 BOX ON! 海外ニュース(10月12日)

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J.ルイス−ラクマンでWBA決定戦
バレラは帝拳勢とともに行動
RUIZ,JOHN.031011.JPG - 15,922BYTES デビッド・トゥア(ニュージーランド)とハシーム・ラクマン(米)の第3戦で争われる予定だったWBAヘビー級暫定王座だが、トゥアがケビン・バリー・マネジャーとのトラブルを理由に出場を辞退したため、新しくラクマンと前王者ジョン・ルイス(米:上写真)の組合せとなった。12月13日、ドン・キング・プロモーションの下、アトランティックシティで行われるこの一戦。同じリングではバーナード・ホプキンス(米)対ウイリアム・ジョッピーのミドル級、そしてリカルド・マヨルガ(ニカラグア)対コーリー・スピンクス(米)のウェルター級と2つの統一戦も挙行されるビッグ興行となる。試合はPPVによって全米に放映される。……WBA・S・ライト級1位に上昇したホープ、ミゲール・コット(プエルトリコ)が12月6日、今年2度目のプエルトリコPPVカードに出場する。相手は未定だが、12回戦を予定。同日はWBA世界フライ級王者エリック・モレル(米)がランク1位ロレンソ・パーラ(ベネズエラ)と指名試合に臨み、WBO世界ミニフライ級王者イバン・カルデロン(プエルトリコ)も同国の元王者アレックス“ネネ”サンチェスと防衛戦を行う。……フロイド・メイウェザーに王座を追われ、再戦でも惜敗した前WBC世界ライト級王者ホセ・ルイス・カスティーリョ(メキシコ)が10月10日のサウル・デュラン(メキシコ=畑山隆則とドロー)との前哨戦をクリアーすれば、挑戦者決定戦でスティービー・ジョンストンを下したフアン・ラスカーノ(米)と空位となる王座を争うことが内定した。これはメイウェザーが11月1日のフィリップ・ヌドゥ(南ア)戦を最後にベルトを返上し、S・ライト級転向を口にしているためだが、トップランク(プロモーター)が傘下のメイウェザーの勝利を確信していることがわかる。ちなみにメイウェザー−ヌドゥ戦のリングでデリック・ゲイナーとのWBA/IBFフェザー級統一戦に臨むフアン・マヌエル・マルケス(メキシコ)も来年開催のラスカーノ−カスティーリョ戦のリングに登場させる予定というから、これも統一王者マルケス誕生を疑っていない?……ラスベガスのマンダレイベイ・リゾートで11月8日行われるロイ・ジョーンズ(米)対アントニオ・ターバー(米)のL・ヘビー級戦のアンダーカードではIBF世界J・ミドル級王者ロナルド“ウィンキー”ライト(米)対アンヘル・エルナンデス(米)のタイトル戦とオリンピアン、ジャーメイン・テイラーの試合(相手未定)が行われる。この日もPPV放映。……モスクワで開催中のWBC総会でS・ライト級のコーシャ・ヅーとフェザー級のエリク・モラレスの王座が正式に空位となった。……同じモラレスのフェルナンド・ベルトラン・マネジャーによると、モラレス弟ディエゴ・モラレス(メキシコ)がWBA世界バンタム級王者ジョニー・ブレダル(デンマーク)に挑む話が煮詰まっているという。ブレダルは今月24日、地元でタビ・グェロー(仏)との防衛戦を控えているが、それに勝てば、11月15日、モラレスの地元ティファナで挑戦を受ける用意があるという。しかし1ヵ月弱で敵地防衛に臨むとは信じがたいが。……ブラジルのホープ、ケルソン・ピントが英国遠征。ジュニア・ウィッター(英国)を相手にWBO・BARRERA, AT THE FIGHT.031011.JPG - 13,461BYTESJ・ウェルター級暫定王座を争うことになった。期日は10月25日、場所はロンドン。これは王者ザブ・ジュダーが負傷のため防衛戦を行えないため取られる処置。一方でジュダーは12月13日のアトランティックシティのビッグ興行に名前が載っており記者発表にも出場。……トップランク社のスポークスマン、リー・サムエルズ氏によると、WBC世界S・フェザー級王者ヘスス・チャベス(メキシコ)が同級に転級するエリク・モラレスの挑戦を受ける契約書にサインしたことを明らかにした。試合は来年2月ラスベガスで開催される予定。……モラレスのライバル、マルコ・アントニオ・バレラ(左写真)が予定を3日ほど早めて昨日10月9日(現地時間)メキシコシティーからカリフォルニアのビッグベアへ移動。同行したのはルディ・ペレス、田中繊大両トレーナーとバレラの父、兄そしてスパーリングパートナーを務める矢代義光、粟生隆寛の帝拳ジムコンビ。     (三浦 勝夫)

 BOX ON! 海外ニュース(10月10日)

サンダース、WBO王座を放棄しWBCを狙う
  モスクワのWBC総会で表明
 SANDERS,CORRIE.030809.JPG - 6,760BYTESモスクワで開催されているWBC総会に出席したWBO世界ヘビー級王者コーリー・サンダース(南ア)がベルトを返上し、今後はWBC王座を標的に定めることを表明した。サンダースは3月に番狂わせでウラジミール・クリチコ(ウクライナ)を倒し、新王者に就いたが、思い通りに防衛戦の予定が立たず、WBOから義務づけられたラモン・ブリュスター(米)戦も日程が延期されていた。返上というよりも放棄に近いサンダースの行動に関して彼のバーノン・スミス・マネジャーは「すべては金銭的な問題。すべてはピーター・コール(ドイツのプロモーター)のせいだ」と語っている。

 今回WBC総会に“押しかけ参加”のかたちとなったサンダースは早速、王者レノックス・ルイス(英国)挑戦の意志を明らかにしており、WBCスライマン会長も最新ランクでサンダースをハシーム・ラクマン、ビタリ・クリチコに続き3位の座を与える厚遇ぶりだ。なお、WBOのバルカルセル会長はサンダースの言動にもかかわらず、今のところ彼を王座から降ろしていない。


ヅーの王座はく奪
それでも“名誉”チャンピオン

 同じくモスクワのWBC総会で2日間TSZYU 031009.JPG - 16,803BYTESに渡って討議されていたS・ライト級統一王者コーシャ・ヅー(豪州)指名試合遂行の件だが、結局ヅーのWBC王座をはく奪する結論に達した。これは2年以上、ヅーがWBCの指名するボクサーと防衛戦を行っていないことが原因。だが、スライマン会長の一声で今後は“名誉チャンピオン”という肩書きが与えられることになった。スライマン氏は「彼を昇進させたんだ」とご満悦だが、これは対立団体WBAの“スーパーチャンピオン”とも違う文字通りの名誉職なのか? ちなみにフェザー級王座を返上してS・フェザー級転向を宣言してエリク・モラレスも早くもフェザー級名誉チャンピオンに任命され、何とも紛らわしい。
 ヅーのはく奪で空位になった王座は1位ジャンルカ・ブランク(伊)と2位の人気者アルトゥロ・ガッティによって争われ(試合は来年1月24日が有力)3位リッキー・ハットン(英国)−4位オクタイ・ウルカル(トルコ)戦の勝者の挑戦を受けることが義務づけられる。       (三浦 勝夫)

 BOX ON! 海外ニュース(10月6日)

トニー、ホリフィールドをTKO
カサマヨール、コラレス撃退
TONEY-HOLYFIELD 031004.JPG - 15,099BYTES ホリフィールド、ついに潮時? 10月4日(現地時間)ラスベガスのマンダレイベイ・リゾート&カジノで行われたヘビー級12回戦でIBF世界クルーザー級王者ジェームズ・トニー(米)と対戦した元世界ヘビー級統一王者イベンダー・ホリフィールド(米)だったが、中盤からトニーの右ストレートを浴びて苦戦。そして9回、トニーのアタックで前のめりに倒れたホリフィールドは追撃のボディー攻撃で重大なピンチに陥り、セコンドがタオルを持ってリングに上がり、痛恨のストップ負け。タイムは1分42秒。リディック・ボウ戦に続くキャリア2度目のTKO負けを喫したホリフィールド(41歳)は「引退を発表するのは簡単なことだが、十分に考えてから決めたい」と進退について明言を避けたが、この敗戦でついにグローブを脱ぐ公算が高くなった。 (Photo/Steve Marcus)

 同じリングで行われたS・フェザー級12回戦は激しい打ち合いが繰り広げられた末、前同級WBA王者ホエル・カサマヨール(キューバ)が、前同級IBF王者ディエゴ・コラレス(米)の口をカットさせて6回終了TKO勝ち。コラレスはアゴを骨折した可能性がある。また、WBO世界バンタム級戦は王者クルス・カルバハル(メキシコ)が同国のヘラルド・エスピノサに8回1分7秒KO勝ちし、2度目の防衛に成功した。                                   ( 三浦 勝夫)


モラレス一撃KO 次は東京で?
エルナンデス、マルケス弟は防衛、レイジェス王座奪取
 米ロサンゼルスのステープルズ・センターで10月4日(現地時間)行われたラテン系ボクサーを中心とした興行で、メイン格のWBC・S・フェザー級挑戦者決定戦はエリク・モラレス(メキシコ)が3回あざやかな右ストレートを決めてグティ・エスパダスにフルカウントを聞かせてKO勝ち。また、初防衛戦に臨んだIBF世界J・ライト級王者カルロス・エルナンデス(エルサルバドル)は前王者スティーブ・フォーブス(米)と打撃戦を展開した末、10回終了自らの傷による負傷判定勝ち。同じくIBF世界バンタム級王者ラファエル・マルケス(メキシコ)は強豪マウリシオ・パストラーナ(コロンビア)を相手に自慢の強打は不発に終わったものの、大差の判定勝ちでV1に成功。一方、IBF世界ミニフライ級王者エドガル・カルデナス(メキシコ)はダニエル・レイジェス(コロンビア)の強打に捕まり、6回ストップ負けで王座を明け渡した。
  なお、モラレスは試合後、改めて12月に東京のリングで無冠戦を予定していることを発表した。                                                           (三浦 勝夫)

 
 BOX ON! 海外ニュース(10月2日)

バレラ−パッキアオ戦はアラモドームで開催

オスカー・デラホーヤのゴールBARRERA(FACE).031002.JPG - 15,995BYTESデンボーイ・プロモーションズの下、初ファイトとなるフェザー級
キング、マルコ・アントニオ・バレラ(メキシコ)の対マニー・パッキアオ(比=IBF世界J・フェザー級王者)戦が11月15日、米テキサス州サンアントニオの大アリーナ、アラモドームで開催さ
れることになった。同会場は90年代にチャベス−ウイティカー戦が挙行されたことでも有名。2万人以上の収容人員を誇り、関係者はバレラ人気でフルハウスも期待できると語っている。なお、メキシコで始動しているバレラに対してパッキアオはすでに母国を離れ、ロサンゼルスのフレディ・ローチ・トレーナーの下、ジムワークに励んでいる。


ブレダルの防衛戦決定
 一時は戸高秀樹の標的の一人だったWBA世界バンタム級王者ジョニー・ブレダル(デンマーク)が10月24日、地元コペンハーゲンで欧州同級王者ダビ・グェロー(仏)を相手に防衛戦に臨むことが決まった。家庭的な理由などで1年近くもリングから遠ざかっているブレダルに対してWBAは「戸高−ガメス」の暫定王座決定戦を承認したのだが、このほどブレダルのプロモーターがテレビ局と新しい契約を締結したことで一気に挙行の見通しが立ったもの。ちなみにグェローは29勝16KO1敗と好レコードの持ち主で、以前フライ級時代にデンマークでKO勝ちを飾った経験もある。当日はこの試合をメインにS・ミドル級上位ランカー、ミケル・ケスレル(デンマーク)対ヘンリー・ポラス(コスタリカ)のWBCインター戦などアンダーカードでもタイトル戦が組まれている。
西島のトレーナー、病状悪化
 ロサンゼルスで西島洋介をコーチしているビル・スレイトン氏が脊髄の移植手術が必要なことがわかった。当地でブロードウェイ・ジムを主宰する同氏だが、以前から体調を崩し、7月に行われた西島−マッケンジー戦(サンノゼ)にもセコンドに就くことができなかった。ロスのボクシング関係者は善意で臓器移植に協力できる人を求めている。

豪雨で元チャンピオン宅が被害
 メキシコ中央部を襲った集中豪雨の影響で、2度世界J・ライト級王者に就いたラファエル“バズーカ”リモン氏の自宅が被害に遭った。リモン氏は以前からメキシコシティに隣接するメキシコ州のエル・モリニートに住んでいるが、今回の豪雨で同地区は壊滅状態。リモン氏も家の半分が流され、家具など財産を多数なくしたという。幸い、元王者と彼の家族には身体的な被害はなく、事業を経営しているため、復旧資金も心配ないとのことだ
                 ( 三浦 勝夫)

 BOX ON! ニュース(10月1日)

パチェコ、TKOでV6達成
IBF世界フライ級タイトル戦PACHECO,IRENE.030930.JPG - 11,441BYTES
 南米コロンビアのバランキーヤで9月27日挙行されたIBF世界フライ級タイトルマッチは、地元の王者イレーネ・パチェコが挑戦者ダメアン・ケリー(北アイルランド)を6回終了TKOで下し、6度目の防衛を果たした。
 試合は序盤3ラウンドまでアクションに乏しかったが、4回に入ると、パチェコが強打を振るって優勢。5回、ケリーのアゴを強襲してグラつかせた王者が続く6回に3度ダウンを奪うと、挑戦者は7回開始前に棄権を申し入れた。
 相手に恵まれず、ブランクをつくることが多かったパチェコ(30歳)だが、またも実力を証明。29勝24KOといまだに無敗を維持している。                                   (三浦 勝夫)

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