暫定王者エンダム自信あり「プレッシャーを感じているのは村田のほうだろう」
◆報知新聞社後援 プロボクシング トリプル世界戦 ▽WBA世界ミドル級王者決定戦 暫定王者・アッサン・エンダム―同級2位・村田諒太(20日、東京・有明コロシアム)
WBA世界ミドル級2位の村田諒太と同級王座決定戦(報知新聞社後援)で対戦する暫定王者(1位)のアッサン・エンダムが15日、都内の帝拳ジムで練習を公開した。
軽快な動きを披露し「私は全てを兼ね備えているコンプリートボクサーだ」と自信を見せた。村田はこの日で実戦練習を打ち上げ。“本能勝負”で臨む構えを示した。
村田がベルトを争う元WBO王者のエンダムが、ついにベールを脱いだ。ミット打ちが始まろうとすると、Tシャツを脱ぎ筋骨隆々の体を披露した。「あとは体調管理の練習だけ。体重はリミットまで5ポンド(約2・2キロ)だ」と順調な仕上がりをアピールした。
練習ではWBA世界スーパーバンタム級スーパー王者ギジェルモ・リゴンドー(キューバ)ら世界王者3人を指導した経験を持つペドロ・ディアス・トレーナーとともに、システム化されたメニューを消化した。ミット打ちは1分間動いて1分休むという変則的な方法で行い、ジャブからのコンビネーションやアッパーなど多彩なパンチ、スピードあふれる動きを披露した。
順調な調整ぶりに自信は深まる。アウェーでの戦いにも「経験もあるしプレッシャーはない。むしろプレッシャーを感じているのは、自分の強さを証明しなければならない村田のほうだろう?」と“ジャブ”を放った。この日の公開練習以外は全て報道陣をシャットアウトする予定で、したたかさも持ち合わせている。「私は全てを兼ね備えたコンプリートボクサーだ。だから私のようなパートナーを見つけられなかったと思う。今度戦うのはアッサン・エンダムなんだ。しっかり準備してこい」と言い切った。
一方の村田はエンダムの公開練習後、ジムに姿を見せた。3回のマスボクシングを行い、試合前の実戦練習を打ち上げた。エンダムについて「やっぱりいい選手だったと聞いた。楽しみ。試合前に無駄にピリピリしたくないから、必要最低限以上に会う予定はない」と笑わせた。
ミット打ちの際には帝拳ジムの本田明彦会長(69)からアドバイスを受けた。同会長は「村田はガードを固めてプレッシャーをかけるのが武器。あれこれではなく、リング上で(自分がやるべきことを)いかに簡単に考えられるか」と解説した。助言を受けた村田は「試合で出るのは本能的なものだし練習でやってきたことが出るか出ないか」。シンプルな考えで自らの武器を大一番にぶつける。(三須 慶太)